自転車 > クロスバイク購入相談スレ テンプレ
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クロスバイク購入相談スレッド Part116
クロスバイクについての購入相談スレです。 回答者は特定のメーカーにこだわらず幅広い視点で勧めましょう。 お礼の返事なんかあると回答者が癒されます。 定番品や良くある質問とその回答は>>2のリンク先を読んで下さい。 ■依頼用テンプレ ---------------------------------------- 【予算】 (おおよその目安でOK、自転車 "本体" に出せる金額を書いてください) 【使用目的】 (街乗り、通勤通学、ツーリングなど) 【走行距離】 (通勤通学の場合は片道か往復か明記) 【走行場所】 (市街地の舗装路か未舗装の砂利道か、勾配の有無など) 【好み】 (色、デザイン、ブランド、速度重視か快適性重視か、サスの有無など) 【メンテナンス】 (自分でどの程度できる or やる気があるか ← 通販の可・不可にも関係) 【天候】 (特に雨の日に乗るかどうか) 【購入候補】 (自分で調べた候補や、>>2のまとめwikiのお薦め等から、比較・回答用に数台ほど) 【その他】 (身長・体重・股下、地元店の取扱メーカー制限等の特記事項、パーツ他で質問 等) ---------------------------------------- ※できるだけ詳しく書いてもらえると適した回答がもらいやすくなります。 ※特定のメーカーを叩くのは粘着荒らしです。スルーしましょう。 ※むやみにロードを勧めるのはやめましょう。 ※むやみに予算オーバーの商品をすすめるのはやめましょう。 ■前スレ クロスバイク購入相談スレッド Part115 http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/bicycle/1449444475/
■まず重要事項に関しては以下のまとめwikiに目を通して下さい。 ・「自転車購入相談スレ まとめwiki」 (お薦め車種の例・車種別パーツ一覧) http://pc.usy.jp/wiki/376.html ・「クロスバイク購入相談スレッド」テンプレまとめwiki (頻出質問等) http://pc.usy.jp/wiki/375.html ■関連スレ テンプレまとめwiki ・「4万円以下のクロスバイク」スレ http://pc.usy.jp/wiki/374.html ・「ルッククロスについて語ろう」スレ http://pc.usy.jp/wiki/372.html ・「フラットバーロード 総合」スレ http://pc.usy.jp/wiki/371.html ・「5万円以下のロードバイク」スレ http://pc.usy.jp/wiki/373.html ・「クロスバイクのタイヤ」スレ http://pc.usy.jp/wiki/369.html ■その他 関連スレ 【ママチャリ】軽快車総合スレ66【シティサイクル】 http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/bicycle/1449437145/ 【ツーリング】シクロクロス17【通勤】 http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/bicycle/1447293966/ 【自転車】−ロードバイク購入相談スレ【97台目】 http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/bicycle/1448622991/ 折り畳み&小径車総合スレ 109 http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/bicycle/1447842082/ 〜テンプレは以上〜
テンプレは以上
※本体価格以外に概ね1〜3万円ほど余裕を持って予算を取っておこう。
一度に全部揃えなくても、重要度の高い必須品から少しずつ揃えていけばOK。
《1》必須の用具
《2》必要があれば購入
※以下の物は各自の判断で必要があれば購入を。
《1》フレームサイズとは?
「フレームサイズ」はシートチューブの長さを表している。
シートチューブの長さが460mmならフレームサイズも460mmとなる。
単にシートチューブの長さを示しているだけで、適応身長を示す物ではないので、
例えば適応身長が160〜175cmに設定された2台の車体があったとしても、
トップチューブが斜め(スローピング)ならフレームサイズは小さい数字になり、
トップチューブが水平(ホリゾンタル)ならフレームサイズは大きい数字になる。
言い換えると、フレームサイズが同じ460mmでも、適応身長は車種ごとに違う。
フレームサイズの数値はあくまで同じ車種内でのサイズの段階を示す相対値であり、
「フレームサイズ○mmなら適応身長は○cm」と固定されるような絶対値ではないので注意。
トップチューブ長はシートチューブ長に比べて比較的車体ごとの差が少ないが、
それでもヘッドチューブの長さや角度、シートチューブの角度等で対応身長は変わってしまう。
例えば上図のESCAPE RX3はトップチューブ550mm、TRADISTは520mmで結構長さが違うが、
同じサドル高にセットした場合、サドル座面からハンドルまでの水平距離は殆ど同じになる。
フレームサイズやトップチューブ長の値を見ても(大まかな見当は付くが)適応身長は決まらない。
《2》リーチとスタックとは?
トップチューブ長と違いシート角等に左右されない基準値としては「リーチ」と「スタック」を目安にする。
BB軸を基準点として、ある人にとっての理想サドル位置の絶対座標は車体を乗り換えても一定なので、
違う車体に乗る際もこのリーチとスタックが同じなら実質的に同じポジションを取れることになる。
逆に言えば多少リーチとスタックが違う2つの車体があっても、ステムやハンドル側で調整できる範囲なら、
違う車体でも同じポジションを取ることが可能になる。「ステムを目一杯短くしてもハンドルが遠すぎる」など、
ステムやハンドルで調整できる範囲の限界を超えてる場合は「サイズが合わない」という事になる。
ただしメーカーの公式HPではこのリーチとスタックが書いてない車種も多い。
数値不明車種の適応身長を知るには、公式HPでその車種の個別に設定された適応身長を確認するしかない。
その上で、必ずお店で実車に跨ってサイズ確認することと、お店のアドバイスを貰った上で買うことを推奨。
※参考:「フレームリーチという概念」
※参考:「リーチとスタック(サーベロ公式HP)」
《3》ジオメトリ表の読み方
※各車種の公式サイトに掲載されるジオメトリ表(寸法図)の見方。
シートチューブ長 (シートチューブの長さ) | トップチューブがホリゾンタル(水平)だと長くなり、スローピング(斜め)だと短くなる。 フレームサイズとも呼ばれる。身長が低い人は短くないとサドルを下げられない。 |
---|---|
シートチューブ角 (シートチューブと地面の作る角度) | シートチューブ角が小さくなるほどシートチューブが斜め後方に寝そべった形になる。 シートチューブが地面と直角に近づく程、踏んだ力がダイレクトに伝わりロスが少なくなるが、 踏力に対する反力も増して「硬い」乗り味になる。 |
ヘッドチューブ長 (ヘッドチューブの長さ) | ヘッドチューブが長くなると、ハンドル位置が高くなりアップライトになる。 短いとスポーティな前傾姿勢になるが、慣れない間は前傾が強いときついと感じるかも。 |
ヘッドチューブ角 (ヘッドチューブの角度) | 角度が大きくなる(フロントフォークが垂直に近づく)ほど、操舵に対する反応が良くなり、 角度が小さくなる(フォークが寝る)ほど、舵を切っても真っ直ぐ進もうとする力が強くなる傾向。 |
ホイールベース (前後輪の車軸間距離) | ホイールベースが長いほど、直進安定性は増すがコーナーで曲がり難くなる。 ホイールベースが短いほど、コーナリング性能は上がるが直進安定性は下がる傾向。 |
リアセンター長 (チェーンステーの長さ) | リアセンターが長くなる ⇒ しなる余地ができて衝撃吸収性は良くなるがパワーロスも増える。 リアセンターが短くなる ⇒ 剛性が上がりパワーロスが減るが、衝撃吸収性は悪くなる傾向。 |
《4》フレームサイズと外見の変化
同じ車種の筈なのに、見るページによってフレームの形状が微妙に違う場合がある。
実は同じ車種でも「フレームサイズ」によって外見が結構変わる。
※例:ビアンキ ROMA2(旧型)のサイズ変化↓
一般的に同じ車種でもフレームサイズ(適応身長)が小さいほどスローピングが激しくなり、
フレームサイズが大きくなるほどホリゾンタルに近づいていく。
小さいフレームサイズと大きいフレームサイズでは見た目が大きく違う場合もあるので、
デザイン優先で選ぶ場合は、自分の身長に合ったフレームサイズの写真で確認を。
特に優先度の高いパーツ
※参考…「2015年モデル パーツ比較一覧表」
各パーツのグレードが下がると主に耐久性に大きな影響が出る。
特に「ハブ」「ブレーキ」「クランク」はコストダウンの影響が出易いので優先度の高いチェック箇所。
《重要箇所その1》ハブ
ある程度以上のグレードのハブであれば、(1)ハブ本体の玉受けと(2)ベアリング鋼球の上から、
(3)玉押しとロックナットで固定し、(4)防水キャップで水や砂の混入を防ぐ構造になっている。
例えばシマノ製であればAlivioハブから上のグレードは防水シールの樹脂キャップが付く。
しかし、シマノAltus以下のグレードや、ジョイテック・フォーミュラ等の低グレードのハブになると、
ベアリングを押さえているナットを外すとグリスの入ったベアリングが剥き出しになる構造で、
シーリングが甘いのでハブ内に水分の混入を許したりハブ内のグリスが流れ出たりし易い。
また低コストの安物ハブは部品の精度が甘く、ベアリング球や玉受けが真円になってなくて、
一箇所だけ偏磨耗が進んだり、素材自体の硬度が足りず割れてしまったりする率が増える。
特に初期装備のハブが無名品の場合、多くは低グレードハブのOEMで耐久性が低いことが多い。
ホイールは価格が高く後から交換し難いので、最初から高グレードのハブが付いてる車種を選びたい。
※参考:「完成車の無名ハブについて」
《重要箇所その2》ブレーキ
(1)Vブレーキ
テクトロやプロマックス等の安いグレードのブレーキ採用でコストダウンされていると、
アーム軸受けの回転構造の違いや加工精度の低さで片効き状態になりやすかったり、
調整してもまたすぐにズレてきたりする。
ブレーキシューも安物は材質が悪く、雨天時に効かないだけでなく黒い削り粉が大量に発生する。
削り粉と雨と路面の油が混じった墨汁の様な液体が車体を汚し、油分で中々落ちない汚れになる。
また削り粉と雨で水研ぎ状態になるとリムを削り、削れたリムがシュー表面に刺さりますます削り…と、
悪循環でリムとシューの磨耗が早まり寿命を縮めてしまい易い。
廉価ブレーキの場合はせめてブレーキシューだけでも交換した方が良い。
Vブレーキならシマノ製Deoreグレードでも本体1個2,000円以下と安価なので丸ごと交換するとベター。
※参考:「Vブレーキの片効き調整」
(2)キャリパーブレーキ
キャリパーブレーキもVブレーキと同じく安物のブレーキ本体は精度が低くて片効きしやすく、
安物のブレーキシューは制動力が低い上に汚れも発生しやすい。
※参考:「キャリパーブレーキの片効き調整」
シマノ製のブレーキシューの場合、ティアグラ以下はシューと台座がゴム製一体型で低剛性だが、
105グレードから上はブレーキシューと金属製の台座が別体になるので剛性が上がり制動力も高い。
ブレーキ本体も105グレードから上になると鍛造に変わり、剛性も値段もグンと上がる(4,000〜14,000円)。
ティアグラ以下のグレードは鋳造で、実はClaris/Sora/Tiagraの間では形状が違うだけで性能差が殆ど無い。
Claris〜Tiagraの間は値段も2,500円前後と横並びで、鍛造になる105以上のグレードとの差が大きい。
この為、「キャリパーブレーキを選ぶなら105グレード以上をお薦め」と言われることがある。
ティアグラ以下のブレーキでもシューだけ金属台座の別体型にすれば、ある程度は性能を改善できる。
※参考:「シマノ製ブレーキの製法と製造コストの違い」
(3)ディスクブレーキ
ディスクブレーキはVブレーキやキャリパーブレーキに比べリムが濡れる雨天でも安定して効く。
また高額な油圧ディスクはブレーキタッチが上質で微細な効かせ具合のコントロールもし易い。
だがそれはある程度高額なディスクの場合であり、5〜6万円の完成車に付いてる安いディスクは、
制動力面でVブレーキより劣ったり、調整してもすぐズレる機構的な問題があったりするので注意。
機械式ディスクは殆どがシングルピストンなので、パッドとローターが擦れ易くて調整がややシビア。
※参考:「安い機械式ディスクブレーキの構造上の問題点」
油圧ディスクは対向ピストンで一旦調整が決まればメンテフリー性は高いが、構造が複雑になる。
液漏れなど一旦トラブルが起こった場合の対処や定期メンテの消耗品など維持コストは少し高め。
※参考:「油圧ディスクのエア抜き」
構造がシンプルなVブレーキやキャリパーブレーキに比べ、ディスクは0.5〜0.7kgほど重くなる傾向がある。
晴れの日しか乗らないなら軽量なキャリパー&Vブレーキの方が良い場合もあり、ディスクは一長一短。
※参考:「ディスクブレーキのメリット・デメリット」
《重要箇所その3》クランク・BB
(1)クランク
クランクとBBもパーツの中では比較的高額なのでコストダウンされ易い箇所。
廉価品のチェーンリングは鉄板プレス成型で重く、歯の形状も単純で変速性能が低くなる。
特に激安グレードだとチェーンリングとクランクがカシメ留めの一体型の物があり、
磨耗したらチェーンリングだけ交換というのができず、クランク丸ごと買い替えになる物もある。
また鉄製チェーンリングが重いので、クランクのBBの合計重量だけで1.5kg近くある場合も。
高いクランクは軽量かつ高剛性で、歯の形状も複雑な加工が施され変速性能が上がっている。
特にチェーンリング・スプロケ・チェーン・ディレーラーを同一メーカーで統一すると変速性能が上がる。
※参考:「シマノ製パーツで揃えると変速性能が上がる理由(変速ポイント)」
※参考:「スプロケのグレードによる表面加工精度の違い」
(2)BB
コストダウンされた安物BBはシーリングが甘くて水が浸入し錆が発生したり、
受け軸の精度と強度が甘く鋼球が偏磨耗したり軸受けの寿命が短い場合がある。
BB軸がグラグラするとクランクも左右に振れるようになりフロントの変速性能まで落ちる。
BBは安いパーツ(2,000円前後)なので、BB抜き工具(2,000円)を揃えれば後から交換可能。
(3)チェーン
安いチェーンは鉄が剥き出しで雨で濡れると一晩で錆だらけになり、形状も単純で変速性能も低い。
高いチェーンはアウタープレートがニッケルやクロム等で表面処理され錆び難く耐磨耗性も高い。
またチェーンリングと噛み合う箇所も形状が工夫されて変速性能が上がる。
※参考:「チェーンのグレードによる表面処理の違い」
《1》フレームのエンド幅
エンド幅が130mmはロード用ホイール、135mmはMTB・クロス用ホイールが使用可能。
ノーマルのまま乗り続ける分にはどちらでも構わないが、ホイール交換する場合は選択肢に影響する。
130mmエンドであればロード用ホイールがそのまま使えるので安価な完組ホイールの選択肢も多い。
※130mm完組ホイールの例:「ロード用クリンチャーホイール」
一方、135mmエンドはMTB用ホイールが使えるのだが、昨今のMTBは殆どがディスクブレーキで、
135mm幅のクロスバイクで使われる「135mm 且つ Vブレーキ用のホイール」は非常に数が少ない。
※135mm完組ホイールの例:「クロス用クリンチャーホイール」
この為、初期ホイールをぶつけて歪めて補修用に代わりのホイールを探す場合や、
より軽量なホイールを求めてアップグレード交換したい場合に、135mmエンドだと選択肢が限られる。
MTB用のハブを使い「手組みホイール」を組めば比較的安価で高性能なホイールが作れる。
※参考:「手組みホイール(ワールドサイクル)」
《2》タイヤ銘柄
※参考:「クロスバイクのタイヤ」スレテンプレ
(1)タイヤ銘柄で実測タイヤ幅は変わる
フレームサイズと同じく、タイヤのサイズ表記も同じ銘柄内での太さの段階を示す相対値であり、
「32Cなら必ずタイヤは32mm」と固定されるような絶対値ではないので注意。
例えばKENDAタイヤは28Cなら実測30mm、25Cなら実測27mm、とサイズ表記より実測が太めに出る傾向。
パナレーサータイヤは28Cなら実測26mm、25Cなら実測23mm、と実測では表記よりも細いタイヤになりがち。
更に同じメーカー内でも銘柄によって、ゴムが厚い耐パンクタイヤはサイドが丸くラウンドして実測が太め。
同じ28C表記でも銘柄によって実測は26〜30mmとバラバラで、ワンサイズ細くしたつもりが実測は同じ事も…。
よって、太さを選ぶ場合はサイズ表記をあてにせず銘柄と実測値で選ぶことが重要になる。
(2)リム内幅でも実測タイヤ幅は変わる
更に同じタイヤでも装着するリムの内幅によって実測値が変わる。
例えば28Cサイズでもリムが幅広になるほど実測も太くなるので、同じタイヤでもホイールが変われば幅も違う。
また同じタイヤ・同じリム幅でも、空気圧によっても僅かではあるがタイヤ幅が変化する。
(3)リム打ちパンクは空気圧チェックで防ぐ
パンク原因の多くは、空気圧不足が原因のリム打ちパンクと呼ばれるもの。
空気圧が適正なら細いタイヤでもパンクしないし、空気圧不足だと太いタイヤでもパンクしてしまう。
ただし、細いタイヤほど高圧を保つ必要があり、少し空気が抜けただけでもリム打ちし易いので、
走行前にタイヤを指でつまんで硬さを確かめるなど、こまめに空気圧をチェックする必要はある。
(4)貫通パンクは耐パンクガード層で防ぐ
空気圧が適正でリム打ちパンクの心配がない場合でも、鋭利物による貫通パンクの可能性がある。
基本的にはタイヤの幅は耐パンク性能とは無関係で、耐パンクガード層の性能で決まる。
耐パンクガード層が入っていれば細いタイヤでもパンクし難く、太いタイヤでもガード無しだとパンクに弱い。
太さよりも銘柄に注意して、耐パンクガード層が優秀な銘柄が使われてるかどうかを見ると良い。
※参考:「クリンチャータイヤの性能比較(パナレーサーの場合)」
(5)砂利道は太めのタイヤが必要
耐パンク層が強力なタイヤを履いていても、砂利道ではタイヤが細いと埋まってしまい易い。
タイヤが埋まってリムに直接石がヒットするとホイールが痛むので、砂利道ではある程度太いタイヤが必要。
(6)太いタイヤは空気入れ過ぎによるバーストに注意
バースト(タイヤの破裂)は普通の貫通パンクと違い、パーン!と銃声のような轟音が鳴り響くのが特徴。
タイヤを引っ掛けているリムのフック部分に掛かる力は「タイヤ内面積×空気圧」に比例するので、
例えば32Cタイヤを23C並の高圧にすると、リムのフック部分には23Cの時より遥かに大きな力が掛かり、
その結果リムのフックが内圧に負けて外れ、チューブがタイヤの外に飛び出しバーストしてしまう。
つまり細いタイヤほど推奨空気圧を高めにでき、太いタイヤは低めになる。高圧が好きな人は細めタイヤを。
《3》リム銘柄
※参考:「リムの種類(素材・接合部・サイズ・アイレット)について」
(1)耐久性:ダブルウォールかシングルウォールか
車種を選ぶ際は、公式HPでその車種の「リム」の銘柄を調べると良い。
例えばライトウェイ シェファードシティを例にすると、2014年モデルは「Alex XC-23」でダブルウォールリム、
2015年モデルは「Weinmann ZAC20」でシングルウォールリムと分かる。
シングルウォールリムはタイヤの内圧や段差にホイールがぶつかる衝撃でリムの端が左右に開き易い。
特に低価格モデルを買う場合は自分の候補にした車種の公式HPを見てダブルウォールリムになってるか確認を。
5〜6万円を越えるモデルになれば、殆ど全部がダブルウォールリムになるので心配は要らなくなる。
※参考:「シングルウォールリムの問題」
(2)漕ぎ出しの軽さ:リム重量
漕ぎ出しの軽さや坂道での楽さは、車体総重量よりも「回転するパーツ」の重量の影響が大きい。
特に足で漕いで回転させるパーツの最外周にあるタイヤとリムが軽いと総重量以上に軽く感じる。
例えば1kgのオモリを背負って走るよりも、靴に1kgのオモリを仕込んで走る方が遥かに辛いように、
自転車もフレームに500gのドリンク缶を載せても漕いだときの体感での違いは殆ど分からないが、
タイヤとリムが合計500g軽くなると、漕いだときに誰にでも違いが分かる程の違いが感じられる。
タイヤの方は交換が簡単なので、初期タイヤが重くても後でタイヤ交換すれば改善できるが、
ホイールはタイヤに比べるとコスト面でそう簡単には交換するわけにもいかないので、
買いたい候補車がある場合は、公式HPでリムの銘柄を検索してリム重量も見ておくと良い。
(クロスバイクの場合、400g台だと軽量リムの部類で、600gを越えると重いリムになる)
(3)装着可能なタイヤ幅:リム内幅
一般的に、ホイールのリム幅の1.4〜2.4倍の範囲内なら、異なる太さのタイヤを装着可能。
初期装備が32Cで25C〜37Cまで装着可能、初期28Cで23C〜35Cまで装着可能、など装着可能幅がある。
その車種は幅何Cのタイヤまで装着可能なのか、タイヤの交換可能幅の範囲を確認しておくと良い。
ただし、リム幅的には装着可能なタイヤでも、フレームと干渉して付かない場合があるので要確認。
※参考:「タイヤ幅とリム幅の関係」
《4》スポーク
(1)スポーク本数
クロスバイクのホイールのスポーク本数は28〜32本が一般的。
もし18〜20本などスポーク本数が極端に少ないホイールの場合、スポーク1本毎の負荷が増えるので、
体重90kgを越える様な重い人はホイールが壊れ易くなるので避けた方が無難。
(2)スポーク組
スポークが交差する「タンジェント組(クロス組)」という組み方が強度が出るので一般的。
スポークを交差させず最短距離で繋いだ「ラジアル組」は軽量にできるが耐久性が落ちる。
前輪は後輪に比べ体重や駆動力の負荷が掛からないのでラジアル組にしてるクロスバイクも多い。
(ディスクブレーキはディスクがあるホイール片側だけ捻れる力が加わるので、ラジアル組は厳禁)
(3)軽量ホイールの注意
高額なホイールであれば素材や形状にコストを掛けて少スポーク・ラジアル組でも十分強度が出せるが、
5〜6万円の安価な価格帯のクロスバイクで、同価格帯の他の車種より軽い軽量ホイールを実現するには、
ハブやスポーク等をコストダウンしたまま、スポーク本数を減らし低剛性な薄いリムを使い重量を減らすので、
どうしても耐久性が犠牲になり易い。スポークの頭部分で千切れたり、ニップルが破損したりする率が高まる。
平均的体重(60〜70kg)であれば問題なく使用できるが、体重100kg前後の人は軽量ホイールは避けた方が良い。
体重が重い人は32〜36本スポークの6〜8本組でしっかり耐久性の出せる構造のホイールを選ぶのを推奨。
※参考:「車輪(ホイール)組みの種類」
《5》フレーム素材
フレームの乗り心地や剛性は主に形状で決まり、フレーム素材だけでは決まらない。
基本的にフレームのパイプを大径化すれば、しならず硬いフレームになる。
逆にパイプを細身にしたり扁平にしたり湾曲させたりすれば、しなる柔かいフレームになる。
クロモリでもレース用フレームは下手なアルミよりも非常に硬いし、
アルミフレームでも乗り心地の柔かいフレームを作ることは可能。
「クロモリ=柔かい」「アルミ=硬い」などと、素材だけで乗り心地を断定することはできない。
ただし、金属フレームは素材の特性から形状に制限ができるので大まかな傾向は生まれる。
まずアルミと鉄で同重量のフレームを作る場合、剛性を高めようとすれば大径化する必要があるが、
アルミは強度は低いが軽いので、同じ直径の鉄パイプに比べて肉厚にできるので大径化しやすい。
鉄は強度は高いが重いので、同直径のアルミパイプと同重量に揃えようとすると薄くなりすぎてしまう。
※参考:「フレーム素材と直径・肉厚の関係」
また、鉄系素材は「一定以下の応力なら何回受けても金属疲労が蓄積しない」という特性があり、
逆にアルミは「どんな小さな応力でも小さな疲労が徐々に蓄積する」という特性がある。
※参考:「金属疲労の蓄積」
これらの事情から、アルミは大径パイプの高剛性軽量フレームを作り易いがしなる細身パイプは苦手で、
鉄系素材は許容範囲内であればしなる構造でも構わない点と、軽量化しつつ肉厚を確保する観点から
細身フレームを作るのに適した素材の傾向がある。
《6》フォーク素材
クロモリフォークは重量があるが、安価な割に丈夫で振動吸収性もある。
アルミフォークは素材特性上パイプが太く乗り心地硬めの傾向はあるが、安価な割に軽量。
カーボンフォークは高価で内部剥離(クラック)の判別が困難だが、軽量さと振動吸収性を併せ持つ。
車体価格6万円を越える辺りからフロントフォークにカーボンフォークの車種が増える。
ただしコラム部分までアルミでブレードだけカーボン製の「アルカーボンフォーク」が殆どで、
コラムまでカーボンのフルカーボンフォークは15万円を越える車種でないと滅多に採用されない。
また乗り心地は主に形状で決まり、素材だけで乗り心地の有無は決められない。
素材特性上、アルミは肉薄大径にして剛性を稼ぐ必要があり、結果として硬めのフォークが増える等、
ある程度の傾向は発生するが、アルミフォークでも乗り心地の良いフォークはあるし設計次第。
カーボンフォークは特に形状の自由度が大きいので、振動吸収性の高いフォークを作ることもできるが、
一方でレース向けのカーボンフォークは剛性を極限まで高めて下手なアルミフォークよりずっと振動が来る。
翼断面で前後方向に太く剛性が高いストレートフォーク等は高速のコーナリングでもヨレず曲がってくれるが、
反面乗り心地は硬くなり操舵に対する反応も過敏になり、気楽な街乗りとは逆の性質になる。
このように素材だけで考えず、断面や湾曲具合など「形状」で乗り心地は決まる事に注意。
《7》ギア比
ギア比は「フロント変速のチェーンリングの歯数÷リア変速のスプロケットの歯数」で決まる。
最大ギア比が大きければ、ペダル1回転で多く進む代わりにペダルが重くなるので高速走行向け。
最小ギア比が小さくなると、ペダル1回転で少ししか進まないがペダルが軽いので急坂を登れる。
※参考:「自転車ギア比計算機」
《8》コンポ(コンポーネント)
コンポーネントはグレード分けされていて、グレードによって材質や加工の手間で製造コストが違う。
上位コンポになるど変速段数が増えるだけでなく、高額素材や手間の掛かる製法で性能も価格も上がる。
※参考:「シマノコンポのグレード順」
・MTB系…XTR > デオーレXT > デオーレLX > デオーレ > アリビオ > アセラ > アルタス > ターニー
・ロード系…デュラエース > アルテグラ > 105 > ティアグラ > ソラ > クラリス > A070
《1》メーカーと生産国の関係
自転車のパーツはブレーキ・変速器・ホイールなど各部ごとに規格化されていて、
例えば異なる2つのフレームに全く同じパーツを使用すれば、フレーム以外は同性能になる。
(自作PCで例えると、フレームがマザーボード、ホイールやパーツがCPUやメモリやドライブ、の関係に近い)
この為、各メーカーの違いとは主にフレームの設計と、どのパーツを組み合わせるかに集約される。
更に現代においてはフレームを自社で作ってるメーカーは数える程しかなく、
(自社でフレーム製造工場も所有するのは、台湾ならGIANTやメリダ、日本ならブリヂストンやパナソニック位)
殆どのメーカーは他メーカーのOEM生産のフレームを使ったり、台湾・中国の工場に委託製造したり、
つまりメーカーが自分の所で作っている物は殆ど無い。OEM先が同じなら内容が同じといった場合もある。
※参考:「自転車の生産国と工場」
※参考:「自転車メーカーとOEMの関係」
※参考:「わたしの自転車はどこでつくられたの?」
例えばメリダの一部のロードバイクと、センチュリオンのロードはフレームが全く同じ。
センチュリオンのフレームはOEM生産のメリダとほぼ同性能で、塗装とパーツ構成だけ異なる。
「メリダは台湾メーカーで、センチュリオンはドイツメーカーだから…フレームはきっとこう違う」等と
ブランド名やブランドの国籍に捉われてイメージと思い込みだけでブランドで車種を選ぼうとすると、
こうした実際の性能(実は両者とも同じフレーム)とかけ離れた現実把握になる可能性がある。
あくまでも「ブランド名」の国籍ではなくフレームの「製造元」がどこかが大事。
全く同じフレームではない場合でも、製造元が同じだとフレーム処理が似てくる場合もある。
図のメリダ クロスウェイとセンチュリオン クロスラインは形状の違うクロスバイクだが、
スタンドの固定部分がフレームの裏側に隠れて目立たない専用形状な処理方式からも
同じメリダ製フレームである事が伺える。
製造元が分かれば「A車とB車のフレームは製造元が同じなので構造が似てる部分がある」等と
大まかな車体の傾向が見えてくる場合もある。
《2》クロスバイクのブランド名 ※50音順、( )内は国内代理店など
【ア行】
アートサイクルスタジオ(サイクルワールド)、アサヒサイクル、アタラ(エンドウ商事)、アラヤ(新家工業)、
アルトン(GSジャパン)、E.B.S.(イー・ビー・エス)、エスイーバイクス(モトクロスインターナショナル)、オルベア(ダイナソア)、
【カ行】
カラミータ(アクションスポーツ)、キャノンデール(キャノンデールジャパン)、クーパーバイクス(ユーロバイク)、
クレイジーシープ(TMG13)、コーダーブルーム(ホダカ)、コナ(アキコーポレーション)、コメンサル(ジオライドジャパン)、
コラテック(グローブライド)、コルナゴ(アキボウ)、
※クルマブランド自転車(大友商事)…アルファロメオ/シボレー/ハマー/フィアット/フェラーリ/ルノー/ローバー等。
【サ行】
サーリー(モトクロスインターナショナル)、サイクルスポット、サイクルベースあさひ、ジーティー(ライトウェイ)、
ジェイミス(ジェイミスジャパン)、ジオス(JOBインターナショナル)、ジャイアント(ジャイアントジャパン)、
シュウィン(マルイ)、スコット(スコットジャパン)、スペシャライズド(スペシャライズドジャパン)、センチュリオン(マルイ)、
【タ行】
チネリ(ダイナソア)、チャージバイクス(ライトウェイ)、デローザ(日直商会)、トーキョーバイク、
ドッペルギャンガー(ビーズ)、トレック(トレックジャパン)、トンプソン(ハマショー)、
【ハ行】
バッソ(JOBインターナショナル)、パナソニックサイクルテック、ハローバイクス(モトクロスインターナショナル)、
バンムーフ(ユーロバイク)、ビアンキ(サイクルヨーロッパジャパン)、ビーオール(アキコーポレーション)、
ビーエムシー(フタバ商店)、ビゴーレ(ビゴーレ・カタオカ)、ピナレロ(ピナレロジャパン)、ブートレッグ(ダイナソア)、
プジョー(サイクルヨーロッパジャパン)、フェルト(ライトウェイ)、フォーカス(グローブライド)、フジ(アキボウ)、
ブリヂストンサイクル、ブルーノ(ダイアテック)、ヘルムズ(ブリヂストン)、ポルシェバイクス(ポルシェバイクスジャパン)、
【マ行】
マジィ(東商会)、マングース(モトクロスインターナショナル)、マンハッタンバイク(KHSジャパン)、ミヤタサイクル、
メリダ(ミヤタサイクル)、モーメンタム(ホダカ)、
【ラ行】
ライトウェイ、ライナスバイク(W-LINE)、ラピエール(東商会)、ラプション(JOBインターナショナル)、ラレー(新家工業)、
ルイガノ(アキコーポレーション)、
《1》スポーツ自転車の1年間の在庫数の変動
01月 ●●●●●●
02月 ●●●●●●● ←最も在庫が多い(冬=寒くて購入者が少ない)
03月 ●●●●●● ←最も売れる時期その1(卒業シーズン)
04月 ●●●●● ←最も売れる時期その2(入学シーズン)
05月 ●●●● ←最も売れる時期その3(ゴールデンウィーク)
06月 ●●●
07月 ●●
08月 ● ←最も在庫が少ないが、前年モデル安売りも狙える
09月 ●● ←新モデル発表、各メーカー徐々に在庫増加
10月 ●●● ←徐々に各社の在庫が出揃い始める
11月 ●●●●
12月 ●●●●●
スポーツ自転車のモデルチェンジ時期は、欧州市場の慣習の影響で秋(9月前後)に行われる。
例えば2015年なら2015年9月頃に2016年モデルが発売で、実際の年度より半年早く次年度モデルが出る。
メーカーによっては、更に早い7月頃に「先行販売モデル」として一部の主力車種を前倒しでリリースし、
それ以外の車種は9月以降にモデルチェンジ、と時期をずらして在庫の掃け具合を調整することもある。
逆に海外メーカーの中には国内と海外のシェアの優先度の関係で、9月に新モデルが発表されても
初期生産分は海外市場に優先的に回り、日本国内にはすぐに入ってこなくて11月や1月に入荷の場合もある。
秋以降に各メーカーの次年度モデルが順次発売されていき、冬までに大方のリリースが終わる。
冬は自転車に乗る人が減るのも相まって、2月頃が最も在庫が充実する時期。
3月の卒業シーズン、4月の入学&新生活シーズン、5月の連休、の3ヶ月が1年で最も自転車が売れる時期。
メーカーによっては連休明けには既に売り切れの車種も出始めるので、買う時期には注意。
そして8月は次年度モデル発売前なので1年で最も各店の在庫が少ない時期になる。
《2》2月頃…在庫を入手し易いが、値下げは殆ど行われない時期
欲しい車種があっても、その年度の在庫が売り切れたら、次年度モデルが出る秋まで待つしかない。
4月の新生活スタートなど自分が欲しくなる時期は他人も欲しくなるので買い手が殺到し売り切れてる場合もある。
前述のモデルチェンジサイクルと在庫数の関係を把握し、買い手の少ない冬に動いておくと比較的入手が楽。
特に在庫が少ない割に人気の高いレア車種は、新モデル発売前に予約して押さえておくのが確実。
《3》8月頃…売り切れが多く入手難だが、旧モデル安売りチャンスの時期
一方、1年で最も在庫の少ない8月は大半の車種が売り切れてるが、逆に安売りをゲットするチャンスでもある。
自転車は毎年モデルチェンジするので、メーカーや販売店としては旧年度モデルになると売れなくなるのを恐れ、
新モデルが店頭に並び始める9月になる前に、旧モデルを何とか売り切ってしまおうという動きになる。
この為8月〜9月上旬頃はもうすぐ旧モデルになる車種が20%〜30%引き、場合によっては最大50%引きも発生する。
もちろんこの時期は多くが売り切れてるので、自分の希望するサイズやカラーが見つかる可能性は低いが、
もし運よくサイズと色が希望通りの在庫があれば、普段より遥かに安い値段で買える。
このように晩夏〜初秋まで待って買うのはハイリスク・ハイリターンな買い物となる。
夏に自転車が欲しくなった場合、もし急いで買う必要がないなら旧モデル投売りが始まるのを狙って、
もし駄目なら秋の新モデルを買う、という二段構えで臨むのも1つの手。
《4》入手難ブランドは要予約
例えばビアンキの少量生産モデルは入手が難しいことで有名。
ビアンキの自転車を委託生産している台湾の工場は、トレック・スペシャライズド・キャノンデールなど
よりシェアの大きいブランドの生産も行っているので、優先順位の関係で生産量が増やせない状況にある。
しかしビアンキは日本国内では生産数の割に知名度が高く、需要が供給を上回っている状態なので入手難が発生する。
(ビアンキの海外共通モデルはまず海外市場に割り当てられるので日本国内に回ってくる分が更に減る)
またビアンキは国内でも地域による入手難易度の格差が激しい。
都心部ではカメレオンテ1〜2やROMA3〜4など生産数の多い主力量販モデルは数多く回ってくるので
秋の早い段階から店頭に並び始め、その後も少量ずつ補充され翌年の初夏位までは店頭で見つけることができる。
しかし地方では回ってくる在庫が少なく、予約しても9月分は既に一杯で11月か1月にならないと買えないことも。
特に地方在住で入手難なブランドの自転車を手に入れる場合は、モデルチェンジ期を把握して早めに予約することが重要。
《1》自転車は中古購入のメリットが少ない商品
前述の旧モデル安売りの項目で述べた通り、自転車は毎年モデルチェンジが行われて
その度に旧年度モデル未使用車が2〜5割値引きで安売りされる為、中古を買うメリットが少ない。
中古は各部稼動パーツの状態や車体にクラックが入ってないか等の痛み具合の判断が難しく、
自力で中古品の状態の見立てができない初心者にはお薦めできないし、
中古価格相場も新車の4〜6割引きが多くて、旧モデル未使用車の投売りとそこまで価格差がない。
またスポーツ自転車は電動アシスト自転車のバッテリーのような経年劣化する箇所が殆どないので、
店頭在庫で約1年ストックされていても、性能面で不都合は殆ど無いのも旧モデル型落ち品に有利に働く。
自動車やオートバイに比べ中古で買うメリットが小さいので、中古よりもまず旧モデル在庫を狙うのがセオリーとなる。
《2》通販購入の注意点
(1)購入店は「工場の最終組み立てライン」
家電製品ならば工場出荷時点で完成品となっていて、梱包を解けば100%の性能を発揮するが、
自転車はメーカー工場出荷段階では完成品になっておらず、一般的には「7分組」と呼ばれる状態で届き、
そこから先の作業は販売店で最終調整をして製品となる。
また自転車は単車や自動車と同じく乗り物なので、購入後もメンテナンスなしでは性能を維持できない。
※参考:「7分組とは?」
※参考:「7分組から販売店が行う作業」
※参考:「クロスバイクの組み立て工程例」
(2)9分組、95%組立でも無調整では済まない
通販の中には「95%組み立て」「完全組み立て」で発送を謳うケースもあるが、
梱包の都合上店頭で販売される状態と完全に同じにはできず、
また多くの場合はワイヤー調整は行ってもホイールの振れ取り調整までは行っていない場合が殆ど。
※参考:「9分組自転車のホイールの振れ取り」
※参考:「95%組立」
(3)通販で買っても大丈夫な人
昨今は写真や動画入りのメンテナンス系サイトも大量にあり一般人でも工具を買えばメンテ可能だが
特に専門性の高いロードバイクやMTBおよび電動アシスト自転車はママチャリとはノウハウが違うので
↓こうした内容について独学で覚えて大方の整備を自分でできる自信がないなら通販はお薦めし難い。
※参考:「電動アシスト自転車の納車整備の専門内容」
逆に「この程度の内容なら独学でやれそう」という人には、通販で安く買える場所があれば価格的メリットになる。
また地方でスポーツ自転車を扱う店がない場合は、通販が頼みの綱でトラブル時に駆け込める店もないので、
否応無く(ある程度は)自力でメンテできるように調整を覚える必要性に迫られる。
(4)通販でコスト削減される整備・調整面
通販が店頭販売より1割または1万円程度安いのは、実店舗で在庫を抱えるリスクが無い店だけでなく、
こうした細かい整備の分をコストカットで省力化して安くなってる面もある。
「納車整備は自分でやるから、その分安くしてくれ」と考える自力でメンテやれる人にとっては通販はお得だが、
自分でメンテをやる気がない場合には、その後のメンテを店に任せる費用でかえって高く付く場合がある。
また初期不良品だった場合の対応(送料は自腹など)も高く付くので、リスクのある自己責任の面がある。
特に工具もまだ持ってない初心者の人は地元の評判の良さそうなショップを有効に活用することを推奨。
(5)自転車の流通形態は特殊
※参考動画:「物販と価格」
昔ながらの「町の自転車屋さん」は伝統的に「本体価格の中にアフターサービス料金も含める」形で行ってきた。
「店頭で買うと割高だが、その分は後々のメンテ工賃をサービスしますよ」という形でリピーター化を期待する。
この「サービス料金も自転車本体の購入価格に含める」システムだと、自店購入の場合は工賃が安くなるが
他店購入の自転車の修理やメンテを引き受けると、本体購入時のメンテ価格の上乗せ分が含まれない為に
修理を担当する店の利益が少なくなるか、もしくは割高な工賃を払ってもらう形になる問題が発生する。
通販という形態はそうした購入後のアフターサービス料金を含まない分安いので初心者が飛びつくが、
その後のアフターメンテナンスを誰が行うのか、という問題が付きまとう。
通販で買ったけど調整ができず、町の自転車屋に修理依頼すると断られるか高額な工賃を請求されて
路頭に迷うという「修理難民」という言葉も生まれる程。
(特に電動アシスト自転車の通販購入で電装系パーツの初期不良が出た場合に困る例が顕著)
《1》ルッククロスとは?
「ルック=〜のような」、つまり「〜に似ているけど本格的な性能は無い自転車」の意味。
(1)悪路走行禁止な「MTBルック車」
外見はMTB風だが、本格的な悪路を走れる耐久性が無い自転車(3〜4万円以下の価格帯に多い)。
なお、クロスバイクにもMTBほど本格的な悪路走行性能は残念ながらない。
(2)ママチャリ規格パーツを使った「クロスバイクルック車」
スポーツ車で主に使われるオーバーサイズのコラム径にアヘッドステムとカセットスプロケではなく、
シティサイクルで主に使われるノーマルサイズコラムにスレッドステムとボスフリースプロケだったり、
BBがカードリッジ式ではなくカップ&コーン式だったり、クロスバイクと違う規格の安物パーツを使った車。
《2》ルッククロスの注意点
(1)パーツ耐久性の低さとアフターメンテに注意
スーパー、ホームセンター、ディスカウント店、通販、などでよく扱われる激安自転車だが、
錆びる鉄パーツや粗悪品の使用率が高く、またそうした車種が売られてる量販店では、
十分な対応とメンテが期待できないので、お薦めし難い。
※参考:「自転車産業振興協会テスト結果」
※参考:「低価格自転車の実態」
(2)費用対効果を考えた車種選択を
また昨今は4万円位あれば十分な性能のあるクロスバイクが手に入るので、
耐久性でワンランク落ちる2〜3万円のルッククロスをわざわざ買うメリットが薄くなってきている。
安価なクロスが欲しい場合は下記スレのテンプレも参照。
※予算4万円:「4万以下のクロスバイク」
※予算2〜3万円:「ルッククロスについて語ろう」
《1》舗装路でフロントサスペンション付きに乗る
サスペンションの機能は主に2つに分かれる。
「スプリング」…段差に合わせて縮むことで衝撃を吸収する。
「ダンパー」…一度縮んだサスは上下動を繰り返そうとするので、それを素早く減衰させる。
フロントサスペンションと言っても、2〜6万円の安いクロスバイクに使われているサスは、
「スプリング」の方は入ってるが「ダンパー」が入っていない。
つまりフォークのうち片方の筒にスプリングが入ってるだけの非常に簡素な構造。
↓(1)ダンパーの入ってないサスペンション…いつまでも上下動を繰り返そうとする。
↓(2)ダンパーの入ってるサスペンション…一度縮んだら後にすぐ上下動が収まる。
この為、クロスバイクに付いてるサスの多くは一度縮んだら上下動が収まらず、
ペダリングの踏力に対しても上下に伸び縮みしてパワーロスになるので遅くなる。
特に発進や坂道でパワーが食われるのが実感し易い。
※参考動画:「ダンパー無しサス(Suntour NEX4000)の動き」
「乗り心地は良くなるが、ロスが増えて漕ぎが重くなる」ので一長一短。
基本的に慣れてくるほどサスは不要と思うようになってくるので、導入は良く考えて。
※参考:「サスペンションのメリットとデメリット」
《2》舗装路で前後フルサス付きに乗る
前後にサスペンションのあるフルサス車は、フロントのみサス付きより更に重くてロスも多くなる。
登り坂や舗装路を高速で走る場合には不利になる。
激しい傾斜を下るダウンヒルや登り下りのクロスカントリーなど、基本的には特殊な競技用途向け。
勿論好きで選んで乗るのは本人の自由だが、路面環境に合っているかよく検討を。
逆に、段差や悪路対策を重視する人には、MTBまたは29erをスリック化して乗るという選択肢もある。
※参考:「MTBのジャンル」
《3》抜重をマスターする
サスペンションが無くても、路面の段差に対しては「抜重」を行うことで衝撃を軽減できる。
(1)段差の手前で十分に減速する。
(2)段差に対して90度直角な方向から侵入する(車道と並行する歩道の段差に斜めに乗り上げない)。
(3)前輪が段差に当たる直前に、肘の力を抜いて軽くハンドルを引き上げる動きで衝撃を回避。
(4)後輪が段差に当たる直前も、お尻をサドルから浮かせてハンドル側に体重移動することで後輪の衝突の衝撃を回避。
(5)これらを素早く行うことで、上手くやればかなり大きな段差でも衝撃を殆どゼロに近くできる。
↓このgif動画ではかなり大きな段差の例だが、実際の路上の小さな段差ではもっと小さな動きで良い。
※参考:「段差登り」
《1》フラットバーロードの車種一覧
※「2015年 パーツ比較一覧表」の「エンド幅130mmのフラットバーロード」の車種を参照。
《2》クロスバイクとフラットバーロードの違い
綺麗な舗装の車道をメインに軽快に走行する人にはフラットバーロードも候補。
※参考:「フラットバーロードとクロスバイクの違い」
《1》女性向けクロスバイクの車種一覧
※「2015年 パーツ比較一覧表」の車種名がピンク色の車種が女性用モデル。
《2》男女兼用モデルと女性向けモデルの違い
【1】フレーム剛性の違い
通常のクロスバイクは男女兼用設計だが、中には女性専用モデルも存在する。
例えばスペシャライズドでは非力な女性に合わせて剛性を落とした専用フレームを用意。
男女兼用モデルとはフレームの基本設計から変えるコストの掛かる手法を用いている。
※参考:「なぜ、スペシャライズドのレディースモデルがおすすめなの?」
【2】フレーム設計の違い
女性は骨盤や腰の形の違いから、きつい前傾姿勢を取ると股間に痛みを感じ易い。
また男性に比べ胴が短めの傾向があるので、ハンドルが遠すぎと感じる人の割合が増える。
そこで「トップチューブを短く」「ヘッドチューブを長く or ヘッド角を寝かせる」「ステムを短くする」など、
ハンドルが「近くて高い」位置に来て前傾が浅くなるようにフレーム設計を変えている場合がある。
(例:トレックFXとFX-WSD、キャノンデールQuick4とQuick Women's4、など)
【3】サドルやレバー類の違い
女性は男性より骨盤幅の広いので、男性用サドルだとクッション位置が合わない事が多い。
そこで女性用モデルは幅広の女性専用サドルにして最適化してある。
メーカーによってはグリップやブレーキレバー等も掌の小さな女性でも指が届く小さめのパーツを選んでいる。
※参考:「女性専用設計の自転車とは?」
女性用モデルと男女兼用モデルでどれだけ変更されているかはメーカー毎の差異も大きく、
フレームやパーツ類も専用設計でコストを掛けて対応に注力してるメーカーもあれば、
一方で手間を省いてサドル/サイズ/カラーの変更程度で女性用を謳っているメーカー・車種もある。
また女性用とは銘打たずに、小柄な人向けとしてホイールを26インチや650Cにしたモデルも存在する。
勿論、サドルの男女間の違い等を許容できるなら、女性用モデルに小柄な男性が乗っても差し支えない。
《1》「耐荷重」の違い
スポーツバイクとして買うならできればカゴは無い方が本来の軽快さを味わえて良いが、
実用目的でフロントキャリアやバスケットを搭載したい場合には、「耐荷重」に注意。
シティサイクルのカゴがなぜ頑丈かと言うと、カゴの側面をハンドル付け根にステーで固定し、
カゴの底部は車軸に繋げて垂直に荷重を支えるので、重い荷物を載せても耐えられる為。
一方、クロスバイクで良く行われる「Vブレーキ台座に固定」の方式では、
カゴの底部を斜め方向から支えるのみで、車軸やヘッド部(ハンドル付け根)に繋がってないので、
重い荷物を載せて振動で前後に動くと、Vブレーキ台座に斜め方向の負荷が掛かり折れ易い。
リクセンカウルなどハンドルバーにブラケットを設置して1点で支えるタイプもあるが、
これも付け根の負荷が大きく、あまり重い荷物だとブラケット付け根が破損しやすい。
この為、「Vブレーキ台座固定」「ハンドルバー1点固定」どちらも耐荷重は3〜5kg程度で低め。
少なくともママチャリ感覚でスーパーの食材やペットボトルを大量に入れる様な使い方はできない。
車種によっては年式でカゴ固定方法が変わる場合もある。
例えばコーダーブルーム enaffCTおよびcanaffCTは2012年まではVブレーキ台座固定で
2013年以降はより頑丈なフォークとヘッド付け根の固定に変更されて耐荷重が上がった。
このようにカゴを支えるステーがどこに繋がってるかを見る事で、耐荷重の傾向を知る事ができる。
《2》耐荷重の高いカゴ固定方法
クロスバイクで耐荷重の高い方式を使いたいなら、1つの方法は車軸固定のカゴにする事。
例えば「Wald バスケット」シリーズは車軸とハンドルバーに固定するので耐荷重が高い。
また車軸だけでなくフロントフォークにダボ穴がある車種ならフォークに固定することも可能。
注意点としてはカゴが浅いので、荷物飛び出し防止ネットを併用すると荷物が落ちない。
※参考:「FUJI アブソリュートSに車軸固定」
※参考:「RITEWAY パスチャーにフォーク固定」
フロントフォークにダボ穴がある車種の場合は、フォークにキャリアを固定できる。
Vブレーキ台座固定に比べれば負荷に強く、カゴの耐荷重を高め易い。
フロントキャリアにライトホルダーのネジ穴があればライトの設置も可能。
《3》サスペンション付き車のカゴ固定方法
サスペンションがある場合は、サスが上下動しても影響の無い位置に固定する必要がある。
この為、Vブレーキ台座固定のカゴが主になるが、台座固定は耐荷重が低い欠点がある。
サスペンションフォークの下部にバンド留めするタイプは台座固定に比べれば耐荷重が高い。
※参考:「ミノウラ MTB-SF フォークラック」
また、一部の車種ではアヘッドステムのコラムスペーサーをカゴ台座に置き換える物もある。
ヘッド部(ハンドル付け根)とフォーク付け根の3点で支えるので比較的耐荷重が高い。
またサスの上下動箇所より上側にカゴを固定するので、路面の振動が伝わり難い長所もある。
※参考:「ヤマハ PAS Brace専用フロントキャリア/バスケット」
前述のリクセンカウルなどハンドルバーに一点固定する方法もあるがこちらは耐荷重が低め。
※参考:「各種バスケット類」
自転車本体に取り付けるタイプのバッグは色々な種類がある。
・「大型サドルバッグ」
・「トライアングルバッグ」
・「フレームバッグ」
・「トップチューブバッグ」
など、他にも色々な箇所に付けられるバッグが存在する。
《1》リアキャリア装着(車体にバッグ・荷物を固定)
バックパックを背負うのに比べて、車体に荷物を固定すれば長時間走行でも疲れにくい。
特に夏はバックパックを背負うと汗で蒸れて大変なので、キャリア等に荷物を積むのを推奨。
自転車専用のビジネスバッグもある。
リアキャリアの端に引っ掛けるフックが付いていて、リアキャリアの両サイドに固定が可能。
ペダリング時にカカトがバッグに当たらない様に角度調整機能が付いてる物がお薦め。
またトピークやリクセンカウルでは同社のキャリアと専用バッグで統一すると、
バッグ底部に付いてる突起と、キャリアの溝を嵌め合わせてワンタッチ着脱できる。
キャリアとバッグを同じ会社の製品で揃える必要はあるが着脱が簡単で便利。
※参考:「トピーク」、「リクセンカウル」
《2》バックパック(背中に背負う)
ダボ穴のなくてキャリアが付けられないクロスバイクやフラットバーロード等でも
バックパックで背中に背負えば荷物を運ぶことができる。
「ボブルビー メガロポリス」の様に脊椎保護を兼ねる硬い外殻のバッグもあり、
硬いシェルは事故等で転倒した際に荷物だけでなく裂傷や骨折からも守ってくれる。
欠点としては夏は暑くて5分も漕げば汗だくになり蒸れることと、
2〜3時間を越えるような長時間走行では肩や首に疲労が蓄積する点。
逆に冬はバッグを背負う事で、服と背中の隙間に入る風を塞いでくれる面もある。
「夏は蒸れるので背負わずにキャリア固定、冬はバッグを背負って防寒を兼ねる」など
季節や気温に応じて使い分けをすると良い。
※参考:「各種バッグ類」
《3》応用編:アタッチメントのクイック化
これはメーカー推奨外の使い方になるので自己責任で。
前述のリクセンカウル等のアタッチメント式のバッグやキャリアは、
カゴやバッグを外している間は台座が本体に残るのが美観や収納性の面で気になる所。
そこで、本来はシートポストやハブ軸を固定するのに使うクイックリリースのネジを流用し、
バッグやカゴを外す際に、アタッチメントの台座を固定してるネジごと抜けるようにする方法。
バッグと一緒に台座も丸ごと外れるので、自転車本体に台座が残らずスッキリする。
ただし耐荷重の面では通常のネジ固定より弱くなるのであまり重い荷物はNG。
詳細は「リクセン クイック化」などで検索すれば関連サイトが色々出てくる。
※参考:「リクセン クイック化:その1」、「リクセン クイック化:その2」
※参考:「リクセン フリーパックスポーツ(シートポスト固定型デイバッグ)」
《1》雨天時の走行をするかどうか
「雨の日も自転車通勤するか?」という点は難しい問題で、人により意見が分かれる。
まず雨の日は視界不良で車両や歩行者とお互いに危険の回避が難しくなったり、
路面がスリップしやすくブレーキの制動距離も伸びるというリスク面の問題がある。
また、出発前にレインウェアを着込む手間、汗で蒸れた着替えの処理と片付ける手間、
雨天走行後の自転車の泥落としや水分の拭き取りと錆び防止の注油などの手間、
などのトータルの手間コスト考えると、たとえ安全に走れる場合でも割に合わないと考え、
「走ろうと思えば走れるけど、雨の日は公共交通機関を使うと割り切る」という考えもある。
熟練サイクリスト達の一般的傾向としては
「雨の日は無理せず公共交通機関を使うと割り切るのも手」という意見も多い。
勿論、前述の手間を掛けてでも準備をしっかりして雨天走行を問題なく続けてる人も居る。
※参考:「雨の日でも自転車通勤してるの?」
《2》泥はね運転の防止
雨天時または雨上がりの場合にフェンダー(泥よけ)を装着するのは、
運転者自身が汚れない為だけでなく、歩行者に泥水をかけない為でもある。
(もし車道走行中に歩行者に泥水をかけると、5万円以下の罰金に相当する行為)
運転者自身が汚れない為だけならば、レインウェアを装着すればフェンダー不要だが、
歩行者に泥はね運転を行う可能性がある路面を走る場合はフェンダーが必要になる。
※参考:「泥はね運転の防止」
※参考:「道路交通法 第71条」
道路交通法 第71条 | (運転者の遵守事項)車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。 一.ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、 泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。 |
---|---|
道路交通法 第120条 | 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。 第71条(運転者の遵守事項)第1号(略)の規定に違反した者 |
トレッキングバイクと呼ばれるフェンダーやキャリアなど実用装備を満載したタイプの自転車か
シティサイクル(ママチャリ)を雨天時または路面が激しく濡れている時用に所有しておくと役立つ。
自転車暦が長くなる(or 所有台数が増えてくる)と、晴れの日に走る用のスポーツ自転車と、
雨天時に走る用の実用自転車は別々に所有し、使い分けるケースも増えてくる。
※参考:「トレッキングバイクとは?」
メインで使うスポーツバイクは、雨の日には使わない~ 2台目のサブ機体として、雨天時用にフェンダー付き自転車を別に用意~ →結果として「スポーツバイクにフェンダーは不要」、という形が多くなってくる~
自転車の泥はねはタイヤ回転の遠心力と走行風の影響で放物線を描く。
この為、フェンダー無しで走ると泥が背中や後頭部に飛んでくる。
一方、前輪の泥はねはフレームのダウンチューブに当たって大半は防げるが、
走行中は微妙にハンドルが動いているのでやはり多少顔にかかってしまう。
そこで大事なのは「タイヤの後方まで密着して覆う」フルフェンダーにすること。
横から見てタイヤの8時方向〜4時方向まで全周囲をカバーすると泥がはねない。
10時方向〜2時方向までしかカバーしてないハーフ(簡易)フェンダーは少し泥が跳んでくる。
またMTBフェンダーはタイヤとフェンダーの隙間に泥が詰まるのを防ぐ為に隙間が大きい。
未舗装の泥の中を走るには必要な構造だが、フェンダーが泥はねを完全には防げず泥が少し跳んでくる。
舗装路で使う場合はなるべくタイヤとフェンダーの隙間が狭いフルフェンダーが理想的。
《4》簡易フェンダーのメリット・デメリット
リアセンターの短いフラットバーロードやロードバイクでは、タイヤとフレームの隙間が狭く、
またブレーキもWキャリパーでタイヤとブレーキのクリアランスが無い為に、
フルフェンダーを入れる隙間が無い場合が多い(ロングアーチのブレーキは例外)。
クロスバイクでもリアセンター425mmのESCAPE R3などフルフェンダーが入りにくい車種がある。
こうしたフェンダーが付け難い機種の場合や、自転車を複数台保管できる駐輪スペースが無く、
晴天用・雨天用の2台持てず1台で全てを賄わないといけない場合は、簡易フェンダーを使う。
必要がない時は外せるので普段はフェンダー無しで軽快になり、輪行にも使えるのが利点だが、
前述の図の様にフルフェンダーに比べて泥はねを防ぐ能力が低い。そこは妥協して使う。
簡易フェンダーを選ぶ場合は、樹脂のフェンダー部分と、金属のステー部分の接合部に注意。
金属ステーを樹脂フェンダーに鋲で留めてるだけの安物だと路面の振動でカタカタ鳴る。
接合部がグラグラしない接合方式の簡易フェンダーを選ぶと振動で鳴り難い。
※参考:「フリンガー SW-819FR 前後フェンダーセット」
《1》チェーンカバーの注意点
クロスバイク用のチェーンカバーはチェーンリング周囲のごく狭い範囲しかカバーしない。
これはフロントに変速機が付くとチェーンカバーと干渉する為で、
汎用チェーンカバーは最低限の範囲しかカバーできない。
スポーツ車向けのチェーンカバー(チェーンリングガード・バッシュガード)は、
スプロケの刃先を保護するのが主目的でズボンの裾汚れは副次的要素になる。
チェーンカバーを付けても裾汚れを完全には防ぐのは難しい。
特にスラックスなど裾が広くバタつくズボンの場合はペダルを回転させた際に
チェーンの上に裾が乗る形になりカバーをしていても汚れる場合がある。
OGK ATBカバーの様に変速器を避けて2つのパーツでチェーンの上側を覆えば、
通常のチェーンカバーと併用することでかなり裾汚れは防げるが、
シートチューブとダウンチューブにバンド留めで固定する構造なので、
フレームが丸パイプでないと取り付けられない制限がある。
(フレームがエアロ形状で断面が極太だとバンド留めできない)
※参考:「OGK ATBギアカバー MG-10」
※参考:「OGK ATBチェーンカバー MG-001」
オフィスプレスやビズネオ2など、車種専用チェーンカバーを付けることで
フロント多段でもチェーンカバーを装着した車種はあるが総じてシティサイクル寄りで
スポーツ走行性が低い車種にしかフロント多段用カバーは付いていない。
汎用のチェーンカバーは多くがフロントシングル(フロントに変速がない車種)用か、
フロント多段対応と書かれていても取り付け部のフレーム形状に制限があり、
取り付けられる車種がごく一部に限られる場合が多い。
※参考:「SKS チェーンボード(多段対応)その1」、「SKS チェーンボード(多段対応)その2」
※参考:「アキワールド 変速機対応 チェーンカバー」
《2》裾バンドの活用法
裾汚れを完全に防ぎたいなら、裾バンドを使うのが一番効果的。
スラックスなどでもバタつかないように幅広タイプの裾バンドを選ぶと良い。
幅広バンドは高機能な代わりに嵩張るので携行性が悪くなるのが欠点だが、
駐輪中はフレームに巻いておけば携帯する必要がないので気にならない。
また駐輪中に地球ロックした柵や建造物とフレームが接触して傷になる箇所に
裾バンドを巻きつけてフレームカバーとして流用すれば一石二鳥。
※参考:「オーストリッチ 裾バンド(幅広タイプ)」
《1》手の平の痛み対策その1:乗り方
スポーツ車に初めて乗る人に良く起こるケースが「手の平が圧迫されて痛い」状態。
これは前傾姿勢に慣れてない為に、腕に上半身の体重を乗せてしまう事による。
「手の平には体重を掛けず、両腕はハンドルに軽く添えるだけ」を心がける。
(巡航時など両腕に体重を掛けない状況での話。勿論実際のスポーツ走行では、
場合によってハンドルを押したり引き付けたりして大きな出力を得る場合もある。)
両腕には体重を預けず肘を柔かくし、路面からの振動をいなすショックアブソーバー的に使う。
※参考動画:「ハンドルに体重を掛けない乗り方」
練習方法としては手放し運転が感覚を掴み易い(安全な場所で行うこと)。
(1)最初は、上半身を直立させると手放し運転がやりやすい。
(2)次に、両腕は使わずダラリと下げたままで、前傾姿勢で漕ぐ練習。
自転車の中央に乗る感覚で重心バランスが取れていれば、
背筋力まかせでなく非力な女性でも腕を使わずに前傾姿勢を維持できる。
(3)上記(2)の状態からスッと両腕を軽くハンドルに添える。
(2)の段階で既に両腕には体重が掛かってないので、
ハンドルに手を添えてもそこに体重は掛からず、手の平は圧迫されない。
↓実際の様子は下記動画を参照。
※参考動画:「手放し練習」
※参考:「両手放しのコツ」
《2》手の平の痛み対策その2:グリップ交換
フラットバーハンドルで手首の痛みを軽減するには、持ち方も重要。
肘を軽く横に張って、拳をグリップの外側から内側へ挟み込むように
斜め外側から握ることで手首の折れ具合を減らし、手首を伸ばして握る。
腕を突っ張って掌に体重を掛けると手首の負担が大きいので関節は柔軟に。
例えば「エルゴングリップ」の様に掌にパームレストがあるグリップに交換すれば、
手首の折れ角度を丸グリップ時より減らして手首の負担を分散し易くなる。
※参考:「エルゴングリップ」
《3》手首の痛み対策その1:握り方
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常用のグリップ位置(ブレーキレバーがある箇所)はハンドルバーの形状で変わる。
それにより、拳の向きが「横」「斜め」「縦」とハンドルの種類によって変わってくる。
シティサイクルやアップライトなクロスバイクの上半身が起きた姿勢を取った場合、
人間の関節の構造的に最も手首にストレスが掛からないのは「斜め」の状態。
プロムナードハンドルやノースロードバーと呼ばれる種類のハンドルが近い。
(1)主にMTBで使われるフラットバーハンドルは、滑り易い不整地で車体を制御する為に、
肘は横向きに張り、拳は横向きに握る。
ハンドルバーも肩幅より10cm以上広い(テコの原理で車体を押さえつける目的)。
(2)一方、主にロードで使われるドロップハンドルは、高速走行での空気抵抗を抑える為に、
肘は下向きに張り、拳は縦向きに握る。
ハンドルバーは肩幅と同じ幅で腕が正面から見た時に平行になる(空気抵抗軽減の為)。
MTBのフラットバーハンドルでは脇を開き、肘を左右に張り出して乗るのが良くて
脇を締めて肘を下に向けて乗るのは悪い乗り方とされるが…
拳が縦向きになるドロップハンドルやブルホーンハンドルでは全く逆で、
脇を締め、肘を地面の方へ向けるのが良い乗り方になり
脇を開いて肘を左右に張るのは良くない乗り方になる。
腕立て伏せで例えると肘を横に張るやり方と縦に締めるやり方で使う筋肉も変わる様に、
クロスバイクのフラットバーハンドルとロードバイクのドロップハンドルでは
腕の向きが約90度回転した形になり、上半身の使い方が全く変わってくる。
《4》手首の痛み対策その2:バーエンドバーの利点
クロスバイクには殆どの車種でフラットバーハンドルが採用されているが、
MTBと違いサスペンション無しでタイヤも細めな割にフレームはMTB寄りの太めが多いので、
路面の振動がダイレクトに掌に伝わってくるのが浮き彫りになる。
この状態で肘を横に張り、拳もを横向きで長時間乗車すると手首にストレスが掛かりやすい。
そこで、バーエンドバーを導入すると、拳を縦向きにも握れるようになり、
複数のポジションを使い分けることで長時間乗車が可能になる。
拳が縦向きになれば肘を下向きにできるので、その状態から肘を軽く伸ばせば
疲れたときに上体を直立に近づけて休憩するポジションも取り易い。
また登坂中にバーエンドバーを握るとハンドルを体側に引き付ける力を出し易くなる。
更にハンドルバー自体にも振動を吸収する役割があるが、
ハンドル軸からグリップまでの道のりが伸びる(ハンドルバーが長くなるか湾曲する)ほど、
バーがしなって振動吸収する度合いが増えて掌の負担を減らせる。
バーエンドバーでハンドルを延長させたり、湾曲したドロップハンドルを使うことで、
フラットバー時よりも路面の振動を僅かだがマイルドにすることが出来る。
(「ハンドルバーは第二のサスペンション」とも言われる理由)
※参考:「ハンドルバーの形状で乗り味が変わる!?」
《5》手首の痛み対策その3:バーエンドバーの限界
バーエンドバーではブレーキレバー・シフトレバーの位置は中央のままなので、
バーエンドを握ってる間はブレーキ操作の度に握る位置の持ち替えが必要になり、
ブルホーン・ドロップハンドルと比べるとバーエンドポジション多用時の利便性は落ちる。
ハンドルバーを短くカットすることでバーエンドバーを握った状態からでも
レバーに指が届くことはあるが、あくまで車速調整の為の簡易的なブレーキ用。
(ブレーキレバーエクステンションという部品もあるが現状では在庫が殆どない)
ドロップハンドルやブルホーンハンドルはレバーを握った際に肩幅と同じ位になるが、
バーエンドバーを握った状態は肩幅より広くなるので、
前述の拳が縦向きになる腕の使い方で乗るにはやや幅が広すぎる感じになる。
拳を縦向きのまま肘は横に張って腕立て伏せの様な姿勢になる為に
腕や肩の筋肉をリラックスさせたポジションが取り難くドロハンに比べ使い難い。
ハンドルバーを短くカットしたい所だが、フラットハンドルは中央部が膨らんでいるので
レバー類とグリップのスペースも確保するとどうしても幅480mm以下にするのは難しい
グリップ径22.2mmのブルホーンハンドル(フラットバー用レバーが付けられる太さ)を使えば、
グリップのスペースを短くできるので比較的幅を狭くし易い。
《6》ブルホーン・ドロップハンドルと互換性の問題
短時間の走行ではフラットバーやバーエンドバーで問題ないが、
走行距離が60km以上 or 乗車時間が3時間を越えるような長距離の場合は
拳を縦向きの状態でレバーが使える状態にする&肩幅の狭さにできる
ブルホーン or ドロップハンドルの車種を選ぶのが適している。
しかし拳が縦向きでレバー操作ができるドロップ or ブルホーン用のSTIレバーは
キャリパーブレーキを前提にしてる場合が多く、
Vブレーキで動作する車種をブルホーン化するにはVブレーキ用のレバーが必要
詳細は「■■MTB・クロスバイクにドロップハンドル ■■」スレのテンプレを参照。
※参考:「ダイアコンペ 287V」、「テクトロ RL520」
※参考:「ダイアコンペ バーエンドコントロールレバー」
※参考:「ドロップファイア(フラットバー用レバーをブルホーン末端に付けられるアダプタ)」
※参考:「エビホーン」関係 → その1、その2、その3、その4、
なお、ブルホーンorドロップはフラットバーよりグリップ位置が10cm以上前に出るので
同じフレームを使う場合は前傾が深くなる。
フラットバーの車種を後付けで改造してブルホーンorドロップ化する場合は
ハンドルが遠くなりすぎる可能性が高い。
あらかじめ小さめのフレームサイズを買っていた場合は別だが、
長時間走行多用でドロップハンドルが欲しくなるようであれば、
やはり素直に最初からドロップハンドルの車種を選んで適性サイズで乗るのが望ましい。
《7》バタフライ(マルチポジション)ハンドル
バタフライハンドルは、ドロップ・ブルホーンハンドルとは逆の効果。
フラットバーはハンドル軸からステム分だけ前にグリップ位置が出るが、
バタフライハンドルは常用グリップ位置がフラットバーハンドルより手前に来る。
これで、トップチューブの長いクロスバイクのフレームでも前傾を強くせずに、
マルチポジション(拳の向きを複数に変えられる)ハンドルを実現できる。
一時期は完成車でも一部に採用されていたが、重量が重くなってしまう点、
横幅が広いので拳を縦握りした際に肩幅より広くレバーも遠いなど、
肝心の縦握り時の利便性が不十分な欠点もあり多くは普及していない。
《1》お尻が痛い場合の対策
「お尻が痛い」と表現するケースでも原因が主に2種類ある。
(1)「坐骨(お尻の座面にある尖った骨)」の下の肉が圧迫されて痛い
(2)「急所(陰部〜尿道)」が痛い
(1)「坐骨」が痛い場合
サドル後方のクッションが最も厚い部分が左右に2箇所あり、そのクッション間の幅と
お尻のサドルと接する部分にある尖った骨の部分の幅(坐骨幅)が揃ってない可能性。
坐骨幅とサドル幅が揃っていないと、坐骨がクッションから外れて痛みを感じる。
坐骨幅の原始的な計測方法としては段ボールを硬い椅子の上に敷いてそこに座り、
段ボールが最も凹んだ箇所(坐骨の部分)の間隔を測定する。
本格的に坐骨幅を測定するならサドルサイザーという計測器具もある。
※参考:「ボントレガー・インフォームサドル」
測定した坐骨幅と、サドルのクッション間の厚みが一緒になるようなサドルを選んで交換。
(2)「急所」が痛い場合
股間の急所部分(陰部や尿道の箇所)がサドルに当たって強く圧迫されて痛いなら、
腰の角度を変えることで改善できる。
腰(骨盤)の角度が前方に寝ると陰部がサドルに接して痛みを感じる。
骨盤を後方に傾ける気持ちで垂直に立てると、陰部がサドルから浮くので痛くなくなる。
※参考:「骨盤を立ててサドルに座ると痛みが消える」
※参考:「バイクフィッティング:カラダのフォーム編」
※参考:「サドルと骨盤の関係」
よくあるケースは「背中を反らして腰が前方に寝た姿勢」で乗ってしまうこと。
これでは陰部に全体重が掛かり非常に強い痛みを感じてしまう。
↓
改善方法は「腰は垂直に立て、ヘソから上の背中を丸める」ことで前傾姿勢を作る。
こうすれば陰部ではなく坐骨(お尻の後方の骨)で体重を支えるので痛くない。
《2》湾曲サドルの長所と短所
サドル幅や乗り方だけでなく、サドルの曲面形状がお尻の形と合うかも重要。
その中の1つの要素として「座面が平面的なサドル」と「湾曲形状のサドル」がある。
(1)座面が曲線的になっているサドルは、着座位置を1箇所に固定化した場合に
腰が前後に動かない安定性や、広い面積で荷重を分散できる利点がある。
(2)一方、座面が平面的なサドルは勾配や漕ぎ方や疲労度に合わせて
サドルの前方に座ったり後方に座ったりこまめに着座位置をチェンジして
フォームを切り替える走法の人に向いている。
※参考:「初めてのサドル交換」
湾曲サドルの注意点として取り付け時のサドル角度と腰の角度に注意が必要。
Selle SMPを例にした場合、サドル上端の最も出っ張った2点が水平にセットする。
つまりサドルの前半分が前上がりの状態で、腰を垂直に立てて座る。
この正しい姿勢で座った場合のみ、坐骨を中心に広い範囲に荷重を分散しつつ、
尿道や陰部等は溝があるので圧迫を防いで快適に使用できる構造。
しかし、腰が前に寝た状態で乗ると、前上がりの箇所に陰部が圧迫されて酷く痛む。
また間違えてサドルレールを水平に合わせてセットすると極端な前下がりでずり落ちる。
この様に、セッティングに癖があり「合う人には合うが、合わない人には合わない」度が高く、
「正しくセットすれば快適だが、間違えるとかえって普通のサドルより痛い」となるので注意。
湾曲サドルを正しくセットした場合、サドルの最後方部分に坐骨を置くことになる。
サドル中央の凹みは尿道部の圧迫を防ぐ役割なので、サドル中央に座らない用に注意。
着座位置は後方に固定が前提で、正しい着座位置の場合のみ快適性が得られる構造。
《3》前傾姿勢とサドル幅の関係
シティサイクルとスポーツバイクでは腿の角度が少し異なる。
シティサイクルはシートチューブ角が寝ていて、クランクがサドルより大きく前方にある。
クロスバイクなどスポーツバイクはそれに比べるとシートチューブ角が立っていて、
ペダルが下死点に来たときの足の角度が垂直に近づく。
この為、シティサイクル用の幅広で分厚いサドルをクロスバイクでそのまま使うと、
サドル後方の幅広になっている部分が腿の裏側に当たって真下に足を向け難い。
ペダリングの邪魔をしない為にはサドルの前半分が細く絞り込まれてる必要が出る。
基本的に「前傾姿勢が強いほどサドルは細く」なる傾向。
前述の裏腿に干渉しない形状の必要性だけでなく、荷重バランスの違いもある。
シティサイクルでは上半身が直立するのでお尻に垂直に荷重が掛かる。
腰・尻には、上半身の体重が全部集中し、路面からの突き上げと板ばさみになる為、
スポーツ車に比べより分厚いクッションが必要になる。
スポーツ車は前傾姿勢を取ることで重心位置が前方に寄るとともに、
丸めた背中で路面からの振動をいなしつつ、サドル・ペダル・ハンドルの3点荷重で
バランスを取りながら体重を分散できるので、負担が腰に一点集中し難い。
《4》女性用サドルと男性用サドルの違い
男性と女性では骨盤幅の平均値が異なり、女性の方が幅広のサドルが必要。
市販の殆どのクロスバイクは男女兼用モデルだが、基本的に男性向け設計が多い。
(「女性用モデル」のクロスバイクでは最初から女性用サドルが付いている)
※参考:「女性用サドルの例」
男性用サドルは骨盤幅が狭いのでサドル前半分が狭く縦に長い場合が多い。
またスリットや穴が空いたタイプの場合は、睾丸部と尿道をカバーする為縦に細長い凹みが入る。
女性用サドルは股関節間隔が広いのでサドル前部の幅が太くサドルも縦に短め。
スリットや穴が空くタイプの場合は、陰部にピンポイントで後方まで幅広い凹みが入る事が多い。
勿論男女差だけでなく個人差も大きいので、万人に合うサドルは無い。
市販完成車に最初から付いてるサドルはあくまで「合えばラッキー」程度に考え、
基本的にはサドルは最初から付いてるのは使わず、自分の坐骨幅を測定して
自分に適した幅のサドルを後から買って交換するのがデフォ、位に思って良い。
《5》変わった形のサドル
前述の様にサドルの着座位置は後方の坐骨の当たるクッション部が最重要で、
サドルの前半分は滑落防止の為の意味合いが強い。
シート角が寝ていてクランクがサドルに対して前方にある車種は腿の角度が緩く、
そうした車種向けにはサドルの前半分が無いサドルも存在する。
※参考:「ムーンサドル」、「アンサドル」
またトライアスロン(TTバイク)では極度に前傾が強くサドル前乗りになる都合上
陰部とサドルの圧迫度が増える為に、対策として前方が空いたサドルも存在する。
※参考:「ISM エルゴノミックサドル」
《1》サドル高のセッティング
サドル高のセッティングは最終的には各自の試行錯誤で微調整が必要になるが、
大まかな目安としては「サドルに跨って下死点まで踏んだ際に膝が僅かに曲がる」程度。
調整方法としては「サドルに跨って踵でペダルを踏んだ際に膝が伸びきる」高さにすると、
ペダルを普通に踏んだ場合にちょうど膝が軽く曲がる程度の按配になる。
※参考:「サドル高の合わせ方」
ペダリングに最適な高さ(下死点で膝が伸びきる寸前)に調整すると、
停車時は爪先しか着かない程度のサドル高になる。
そこで、スポーツ車の場合は停車時はサドルから降りてトップチューブに跨る。
サドルから降りるのを億劫がってサドルから降りずに爪先立ちするのは不安定で危険。
※参考:「停車中の姿勢」
なお、停車位置に縁石など足載せ台になる物があればそれを利用する場合もある。
※参考:「コペンハーゲンの停車用足載せ台」
《2》乗り方・降り方
(1)乗り方
シティサイクルに比べてトップチューブ位置が高いスポーツ車の場合は、
いわゆる「ケンケン乗り」は行わず、「トップチューブに跨った」状態を作る。
この段階ではまだサドルには座らない。左右の安全を確認した後に、
右足でペダルを踏む反動を利用して「走り出してから」サドルに座る。
なお日本では左側通行なので、万一バランスを崩して転倒した場合に
車道側に転ばないように、左足を地面に付けて車体を左に傾けると良い。
※参考動画:「自転車の正しい乗り降りのしかた」
(2)降り方
降りる場合は逆の手順を行う。まず減速しながらシフトダウンする。
(外装変速は漕ぎながら変速させる、内装変速は漕いでない時に変速)
シフトダウンも終わり十分減速したら、右足とハンドルで体重を支えつつ、
サドルから尻をトップチューブ側に降ろして左足を地面に着ける。
万一転んだ場合も車道側に出ない様に、車体を左側に傾ける。
《1》シフトチェンジのタイミング
スポーツ車にはクランク側(チェーンリング)と車軸側(リアスプロケット)に
複数のギアがあり車種ごとにギア比が違い性格が異なる。
普及価格帯のクロスバイクで一般的な「フロント3段×リア8段」を例に取ると、
信号の多い都市部では時速15〜28km/h位のペースが多くなる。
足の回転数は毎分70〜80回転位の範囲内に保つ様にする。
この場合はフロントは2段目(センター)の38T(歯数が38本)のギアをメインにし、
概ねフロント2段目×リア3〜6段目の間を使う機会が増える。
街乗りの間はフロントはセンターをメインにし、インナーは激坂以外では使わず、
見通しの良い直線で30km/h以上出す場合のみアウターに入れる形。
これが郊外で信号が減り更に速度域が高くなればアウターメインの場合もありうる。
この様に、足のペダル回転数を中心に考えて、後は周囲の道路状況に合った
速度域を保てるようなギアを選択していくと良い。
《2》フロントのシフトチェンジの方法
(A)シフトアップの方法;
フロントの変速をセンターからアウターに上げる場合は、
リアを動かさずにいきなり上げるとギア比が激増してしまいペダルが重くなる。
トルク不足で加速が鈍る時間帯ができ、ペダリング効率が低下してしまう。
そこで変速の寸前にリアをシフトダウンし、すぐにフロントをシフトアップさせる。
この動作を短い時間で行うことにより、上図の様にギア比の変動が少なくなり、
足に掛かるトルクを一定に保ったままスムーズなギアチェンジができる。
(B)シフトダウンの方法;
フロントの変速をセンターからインナーに落とす場合も同様の手順になる。
フロントを変速させる寸前に一瞬だけリアをシフトアップさせてから、
直後に素早くフロントをシフトダウンさせて、ギア比の急変動を抑える。
イメージとしては自動車のマニュアルミッションのクラッチを繋ぐ動作のように、
リアを逆方向にシフトチェンジする過程を挟むことで変速ショックを小さくする。
※参考:「ギアチェンジについて(takaよろず研究所)」
《3》「たすきがけ」について
フロントがインナーにある場合、リアスプロケはローギア側に近くなり、
フロントがアウターにある場合、リアスプロケはトップ側に近くなる。
この為、フロントがアウター側×リアがロー側の「アウターロー」や
フロントがインナー側×リアがトップ側の「インナートップ」は
いわゆる「たすきがけ」と呼ばれ、チェーンが最も斜めに捩れる形になる。
チェーンが斜めになる「たすきがけ」はできれば避けた方が良いとされるが、
最近のコンポは変速性能が上がりたすきがけでも十分な性能を発揮できる点、
たすきがけでチェーン寿命が多少短くなっても、元々チェーンは消耗品なので
多少チェーンの負担が増えても交換時期が早まるだけで構わないと考えるなら、
状況によってはアウターローやインナートップも使うことがある。
↓なお、「たすきがけ」がチェーンの伝達効率に与える影響は殆ど無視できる範囲。
※参考:「チェーンの伝達効率」、「伝達効率計測(『HUMAN POWER』誌)」
←その1、
←その2
「たすきがけ」も使う例としては「登坂中はフロントの変速をなるべく減らす」場合。
フロントの変速はチェーンの移動量が大きく、ギア比の変動を小さくする為には
リアを一旦上げてからフロントをすぐ下げるという手順が入るので、
強いトルクが常にチェーンに掛かりっ放しになる登りではなるべく控えたい状況がある。
例えば直線を走行中に前方に急坂が見えた場合、
フロントをアウター側に入れたまま坂に突入し、坂の途中でギア比がきつくなって
フロントをチェンジしようとしても、登坂時はチェーンに強いトルクが掛かっているので
リアだけ変速に比べてスムーズに変速するのが難しい。
そこで、坂に入る前にあらかじめフロントを落として「インナートップ」側にしておき
坂の途中で勾配が徐々にきつくなってもリアだけ落としていけば対応できる様にする。
「クロスレシオ(12-25T等、リアスプロケの1段毎の差が少ない)」なロード系コンポの場合には
こうした路面にあわせた柔軟な対応が特に重要になる。
「ワイドレシオ(11-32C等、リアスプロケの1段毎の差が大きい)」なMTB系コンポの場合には
フロントを積極的にチェンジさせなくてもリアスプロケだけで幅広いギア比に対応できるので
もう少しルーズにフロントの変速機会を減らして走れる場合も増える。
(ただし、微妙に勾配や車速が変化する道では、クロスレシオの方が加減速が楽になる)
《4》「トリム調整」について
リア変速がトップギア側かローギア側に近づきチェーンが大きく斜めに傾くと、
フロント変速のディレーラーガイドプレートとチェーンの隙間が狭く接近する。
この為、例えばフロントをインナーに入れてリアをロー側からトップ側に上げていくと、
次第にチェーンの斜め角度が大きくなりすぎて、ガイドプレートとチェーンが接触して
シャリシャリと鳴る現象が起こるようになる。
チェーンとガイドの接触は上図の様に外装変速の構造上、必ず起こる仕様なので、
トリム操作を行うことでガイドプレートとチェーンの接触を回避する必要がある。
やり方は、フロントのシフターを軽く押し込むことで、1段分ではなく半段だけ動かす。
通常はシフターを強く押し込むと1ノッチ分動いてフロントが1段シフトアップorダウンするが、
半ノッチ分だけ軽く押すとシフトアップまではしないがガイドが少し横に動いて止まるので、
斜めになったチェーンのシャリシャリ接触を解消できる。
※参考:「トリム調整の理由」
※参考:「ロードバイクのトリム機構」
※参考:「クロスバイクのトリム機構」
なお、チェーンステー長が短いほどチェーンの斜め角度がきつくなる。
よって、チェーンステーが短いロードバイクではシャリシャリ現象が起こり易く、
チェーンステーが長いクロスバイクではトリム操作なしでも変速に支障がない場合が多い。
(MTB用シフターにはトリム操作の機能すらない物も多い)
ロード用シフターもトリム操作のないコンポもあり、更に電動変速ではオートトリム機能で
乗員がトリム操作をしなくても自動的に最適な位置にガイドプレートを動かしてくれる。
《1》屋外・屋根なしの「雨ざらし駐輪場」の場合
紫外線による樹脂や塗装の劣化と、雨による錆の発生は、自転車にとって天敵。
特に屋外かつ屋根なしの駐輪場だと、雨だけでなく直射日光による紫外線にも長時間晒されるので
同じ屋外でも屋根あり駐輪場の時に比べて遥かに自転車の劣化が激しく進む。
雨に濡れる場合も、自転車通勤の1時間程度だけ濡れる等の短時間なら特に問題は無い。
短時間ではベアリング内など奥深くには水が入ってこないので、表面に付いた水分が落ちればダメージは残り難い。
乾いた後でチェーンに注油してあげれば十分。
しかし、雨ざらし駐輪で一晩中ずーっと雨に打たれ続けるなど長時間雨に晒されると、
普段は水が入らない筈のベアリング内部に雨水が浸入して、可動パーツ内に錆が発生するリスクが上がる。
このように、短時間だけ雨に濡れるのと、長時間雨に濡れるのではダメージが大きく変わってくるので、
雨ざらし駐輪をする場合には何らかの対策が必要となってくる。
マンションの駐輪場の都合など、やむを得ず屋根なし駐輪場に停めざるをえない場合は
自転車カバーが紫外線と雨を防げるので有効な手段。
ただし、カバーと地面のスキマから湿気が上って来てカバー内に篭ってしまいやすいので、
ずっとカバーを掛けっぱなしだと、中がびっくりする位に錆だらけになってる場合がある。
特に舗装されてない土の地面の駐輪場は雨が降っていなくても地中の湿気が登ってくる。
条件次第では、カバー掛けてなかった場合よりも錆が悪化することがあるので注意。
これを防ぐには、雨の翌日などは定期的にカバーを外して湿気を抜いてあげることが重要。
カバーの下の地面が乾いてからカバーを掛けなおしてあげると湿気が篭り難い。
またカバーを掛けていると風に煽られて倒れ、車体に傷が付く場合もある。
隣の自転車を傷つけるとトラブルの元にもなるので、強風の日はカバーを外した方が良い。
台風接近など強風が予測できる場合は一時的に室内保管するか建造物に固定するか
あらかじめ横に倒して固定するなど、事前対策をしておくと被害を抑えられる。
《2》屋外・屋根ありの「屋根付き駐輪場」の場合
同じ屋外でも屋根があれば、長時間雨に晒されることも無くなり、直射日光もかなり遮られるので、
屋根なしの雨ざらし駐輪場に比べれば大幅に自転車の痛み具合は少なくなり安心できる。
スポーツ自転車の保管は最低限この屋根付きの駐輪場であることが望ましい。
注意点としては、洗車をサボって埃を大量に被ったままで梅雨の時期に放置しないこと。
この埃が湿気を吸い込んで濡れタオル状態で、自転車に密着してる部分に錆を発生させることがある。
花粉や黄砂などが積もった場合も時々積もった粉を払ってやると湿気による痛みが抑えられる。
紫外線も屋根があれば致命傷は防げるので基本安心だが、例えば車体の右側だけ西日が強く当たると、
車体の右側だけ塗装が色褪せたり樹脂が白っぽく劣化することで紫外線の影響を感じることがある。
特に安い自転車は塗料が安物で塗膜が弱く、樹脂もすぐ弾力を失ってヒビ割れる材質のことが多い。
UVカット&二重クリアコートやシリコン配合ゴムなど塗装や材質にコストを掛けた高額な車体に比べると、
同じ駐輪場に保管していても安物の方が短期間で塗装や樹脂パーツが劣化することがある。
また高額車でもスポーツ車のタイヤは軽量化の為にタイヤ側面が薄いゴムで紫外線に弱い物が多い。
《3》「室内保管」の場合
担いでも苦痛にならない車重10kgを切るような軽量バイクや、10万円を越えるような高額な自転車の場合、
室内保管ができれば車体の痛み具合を減らす意味でも盗難防止の意味合いでもメリットが大きい。
担ぐ距離が短い、保管スペースに余裕がある、等の場合は検討を。
※参考:「自転車の保管方法」
ただし、マンションの高層階でエレベーターを使う場合は、住民トラブル等に配慮が必要。
※参考:「マンション内エレベーターへの自転車持ち込みで起こったトラブルの例え話」
《4》カラーによる汚れの目立ち方の違い
(1)汚れの目立ち易さ
同じ汚れ具合でもカラーによって目立ち易さが違う。基本的にはクルマの塗装と同じ。
ブラックは雨滴の痕が白く残って目立ったり、埃や花粉が積もったのが目立つ。
ホワイトはクルマの場合だと「黒色ほどではないが水垢や土汚れが目立ち易い」という評価になるが、
自転車の場合は更にチェーンの油汚れやブレーキシューの削り粉が黒い墨汁の様になって、
チェーンステーやフォークの周囲に飛び散るので、この黒い油汚れがホワイト系は特に目立つ。
シルバー・グレー・ブラウンやラメ入りのメタリック塗装(ガンメタル等)は比較的汚れが目立ち難い。
(2)色褪せ易さ
色が薄くなっていく色褪せも車体カラーによって違いがあり、赤・黄色系カラーは色褪せが激しい。
※参考:「いつのまにか塗装が薄くなる色あせはなぜ起こる?」
(3)マット塗装の耐久性
マット塗装はクリア塗装で覆われてなくて表面が凸凹なので、傷に弱くて汚れも落とし難い傾向にある。
格好良さに惹かれてマット塗装を選ぶ場合は、維持の手間は増えることは了承して買う必要がある。
※参考:「マットな質感」
《5》クロモリフレームの手入れ
保管状況にもよるが、雨天走行ありで10年ほど使ったクロモリでもパイプ内は上図の錆程度に留まる。
クロモリフレームは鉄系なので錆が発生するが、表面が錆びてもそこから内部への進行は遅いので、
表面を削れば内部はまだ綺麗な事が多い(低価格車の非クロモリのスチール系は錆の進行がもう少し早い)。
何十年も前の錆だらけのクロモリロードがレストアすると綺麗になるケースも内部まで錆が進行していない為。
(1)塗装が剥げたらタッチアップペン補修
塗装で覆われている限りは錆は発生しないので、ぶつけて塗装が剥げた場合はクルマ用のタッチアップペンで
塗装が剥げた箇所が錆びる前に素早く塗装で覆ってやると錆の発生を防げる。
(2)フレーム内壁に防錆スプレー
フレームの内部は塗装されてないので防錆スプレーを新車の時にパイプ内にスプレーしておくと更に万全。
(3)雨の後に走ったら水抜き
フレームには水抜き穴(溶接時のガス抜き孔も兼ねる)がチェーンステー末端などに開いていて、
シートクランプ部やボトルケージのネジ穴などから内部に水が入ってもそこから抜けるようになっているが、
泥の中を走ると稀に泥が水抜き穴を塞いで内部に水がチャポチャポ溜まることがある。
年に1〜2回(梅雨の季節など)はシートポストを抜いて車体を逆さにし、内部の水抜きと湿気取りを行うと万全。
■初心者向けガイド