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SoundBlasterとはCreative Technologyが発売している主にゲーマー向けのサウンドカード。世に出ている多くのサウンドカードがDirectSound? 3Dをソフトウェアで処理するのに対し、SoundBlasterでは専用DSPによるハードウェア処理を行う。これにより、FPSなどのゲーム速度低下が致命的となるゲームにおいても、速度低下を小さく抑制することが可能(但し、最近の高性能なCPUではソフトウェア処理でもほとんど差はない)。また一般的なサウンドカードのほとんどは同時発音数が32音であり、それ以上の同時発音数を要求するゲームでは音が消えてしまう現象が発生する。しかしSoundBlasterでサポートされる同時発音数は64〜128音であるため、音が鳴っても聞こえない現象を防ぐことができる。
PCI型、PCI-Express型、USB型、PCMCIA型などの接続方式による違いだけでなく、搭載しているチップの差異による性能差が存在する。そのためゲーム用途で本製品を選ぶのであれば、事前に製品知識を頭に入れておく必要がある。
SoundBlasterシリーズで「地雷」とは、上記DS3Dがソフトウェア処理されるものを指す。また製品により異なるが、地雷だとサポートされるEAXが4.0までのものが多い。ただしサウンドカードとしては製品仕様通りに稼働するため、ビデオカードにおける地雷(性能が期待値の半分など)とは用語の定義が異なることに注意。
また地雷品であっても、外付けUSBであることによりケーブルの取り回しが容易であったり、小型軽量でノートPCに最適な製品もある。そのため、実際の製品選びは各個人の用途を考慮されたい。およそエンターテイメント向け機能=音楽を聴くということ=に関しては付属アプリケーションがほぼ同一であることから、地雷・非地雷ともほぼ同機能である。しかし非地雷品の場合はDAC部の装備が非地雷よりも豪華であったり、サポートされているモードもエンターテイメント用以外にゲーム用、オーディオ製作用が用意されているなど、明確な違いも存在する。
地雷・非地雷で搭載されているチップとドライバが変わるため、同時に音質も変わることに注意。特にオンボード用Audigy/X-Fiの機能を実現するMBソフトウェアシリーズは出音が全く異なる。
非地雷のSoundBlasterの価格は最低8,000円程度(X-Fi XtremeGamer?)または10,000円程度(X-Fi Titanium)から。一方の地雷品は2,000円以下でも買えることがある。購入予定者は財布と相談すること。
現行品はNG。
現在新品のリテールボックスとして店頭で売られているAudigyシリーズはすべて地雷品と考えて良い。下記のリストは過去に販売されていたものである。
非地雷品としては下記の他、Audigy ES(SEではない)やAudigy 4 SE(Audigy 2 Valueのリネーム品)が存在する。これらはバルク品として市場に流通したため、性能の割に安価であった。しかし現在入手することはほぼ不可能。
製品名 | モデルナンバー | 接続 | 地雷判定 | 備考 |
---|---|---|---|---|
Audigy 4 | SB0610 | PCI | ○ | カード単体 |
Audigy 4 Pro | SB0380 | PCI | ○ | 外箱付き |
Audigy 2 SE | ? | PCI | × | |
Audigy SE | SB0570 | PCI | × | |
Audigy Value | ? | PCI | × | SEのリネーム品? |
Audigy 2 ZS Notebook | SB0530 | PCMCIA | ○ | 非地雷 |
Audigy 2 Value | SB0400 | PCI | ○ | |
Audigy 2 NX | SB0300 | USB | × | 外付けはI/Oが便利ですが |
Audigy 2 ZS Platinum Pro | SB0360/SB0290 | PCI | ○ | |
Audigy 2 ZS Platinum | SB0350/SB0250 | PCI | ○ | |
Audigy 2 ZS | SB0350 | PCI | ○ | |
Audigy 2 ZS Gamer | SB0350 | PCI | ○ | |
Audigy 2 Platinum ex | SB0280/SB0290 | PCI | ○ | |
Audigy 2 Platinum | SB0240/SB0250 | PCI | ○ | |
Audigy 2 | SB0240/SB0320 | PCI | ○ | |
Audigy LS | SB0312/SB0310 | PCI | × | |
Audigy Platinum | SB0090M | PCI | ○ | |
Audigy X-Gamer | SB0090G | PCI | ○ | |
Audigy | SB0092/SB0191 SB0232/SB0231 SB0230/SB0161 | PCI | ○ |
現行品が位置するシリーズ。フルスペック非地雷品は同時発音数128、EAX 5.0、OpenALなど。製品によりX-RAMの容量(有無)が異なるが、それ自体は地雷判定に影響しない。搭載しているチップは、非地雷がCA20K1(PCI)またはCA20K2(PCI-Express)である。
Xtreme AudioはPCI/PCI-Express共に地雷品。
USB接続のX-Fiはすべて地雷。
製品名 | モデルナンバー | 接続 | 地雷判定 | 備考 |
---|---|---|---|---|
X-Fi Titanium HD | SB1270 | PCI-Express | ○ | |
X-Fi Titanium Professional Audio | SB0888 SB0880 | PCI-Express | ○ | アジア限定 |
X-Fi Titanium | SB0880 | PCI-Express | ○ | |
X-Fi Titanium Fatal1ty Pro | SB0886 | PCI-Express | ○ | |
X-Fi Titanium Fatal1ty Champion | SB0886 | PCI-Express | ○ | |
X-Fi Titanium | SB0880 | PCI-Express | ○ | |
X-Fi Fatal1ty FPS | SB0466 | PCI | ○ | |
X-Fi Fatal1ty | SB0466 | PCI | ○ | |
X-Fi Elite Pro | SB0550/SB0510 SB055A/SB0510 | PCI | ○ | |
X-Fi Platinum | SB0460 | PCI | ○ | |
X-Fi Xtreme Gamer Fatal1ty Pro | SB046A/SB0466 | PCI | ○ | |
X-Fi Xtreme Gamer | SB0730 | PCI | ○ | ロープロファイル |
X-Fi Xtreme Music | SB0460/SB0463 SB0464/SB0465 | PCI | ○ | |
X-Fi Digital Audio | SB0460 | PCI | ○ | 日本限定 |
X-Fi Xtreme Audio | SB1040 | PCI-Express | × | |
X-Fi Xtreme Audio | SB0790 | PCI | × | |
X-Fi Xtreme Audio Notebook | SB0710 | ExpressCard | × |
種類が多いため、購入時には製品群を絞ってから考えると良い。現状では大きく分けて5つに分類される。非地雷は1〜3まで。4または5については導入のメリットを考慮する必要がある。
# | 系列 | 接続 | 地雷判定 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | X-Fi Titanium HD | PCI-Express | ○ | 最新世代 Titaniumの音質向上版 |
2 | X-Fi Titaniumシリーズ | PCI-Express | ○ | 1世代前 HDより安価 |
3 | X-Fi PCIシリーズ | PCI | ○ | Titaniumより前に出たもの PCI接続であればこちら |
4 | X-Fi Xtreme Audio | PCI PCI-Express | × | CA20K1/2非搭載のもの とても安価 |
5 | X-Fi その他 | USB ExpressCard Software | × | その他のシリーズ |
XtremeMusic?については、USでリテールBOX品として販売されているパターンと、Dellやhp、GatewayなどにOEM供給されているパターンが存在する。前者のリテール品と後者のOEM品の違いはDolbyDigital?/DTSのデコード機能の有無であり、どちらも非地雷。PAXドライバのサポート製品にも含まれる。
最近のDell製ワークステーションやハイエンドデスクトップ(Alienware)にはX-Fi TitaniumのOEM品が選択可能。一方同じDell製PCでも、これより価格帯の下がるXPSシリーズ以下の製品群ではX-Fi XtremeAudio?等の地雷品しか選べない場合がある。
製品名 | 接続 | 地雷判定 |
---|---|---|
X-Fi Titanium | PCI-Express | ○ |
X-Fi Xtreme Music | PCI | ○ |
X-Fi Xtreme Audio | PCI/PCI-Express | × |
DellのPCにバンドルされているHDソフトウェアやM/Bに添付されているソフトは、当然のことながらソフトウェア処理である。またMSIのM/Bに添付されているSoundBlasterアドオンカードやオンボード音源もすべてソフトウェア処理(ハードウェアアクセラレーションが効かない)である。
これらのソフトウェアはオンボード音源ドライバに後付け(追加アプリ的)の形で導入する。したがって、SoundBlasterシリーズのアプリケーションやエフェクトが不要であれば、導入しないという選択肢を考えるのも良い。
製品名 | 接続 | 地雷判定 |
---|---|---|
SoundBlaster Audigy ADVANCED MB | ソフトウェア | × |
SoundBlaster X-Fi MB | ソフトウェア | × |
SoundBlaster X-Fi MB2 | ソフトウェア | × |
Creative以外のベンダーから発売されているX-Fiシリーズは下記の通り。Creative以外のX-Fiについても地雷・非地雷が存在するが、Creativeの製品と同様にCA20K1/CA20K2(X-Fi Xtreme Fidelity)の有無が分かれ、それによって判別が可能。
AuzentechのX-Fiは本家CreativeのX-Fiと同等の機能を有する以外に、音質面での向上を狙った製品である。GIGABYTEのG1.Assasinに搭載されているX-FiはオンボードでありながらCA20K2を搭載し、スロット消費無しでX-Fiの機能が実現されている。ONKYOのSE-300PCIEはCA20K2を搭載しつつ高音質を実現しているが、DDL等の一部機能が利用できない。
メーカー名 | 製品名 | 接続 | 地雷判定 | その他 |
---|---|---|---|---|
Auzentech | Auzen X-Fi HomeTheater? HD | PCI-Express | ○ | HDMI端子付き |
Auzentech | Auzen X-Fi Forte 7.1 | PCI-Express | ○ | ロープロファイル |
Auzentech | Auzen X-Fi Prelude 7.1 | PCI | ○ | |
Auzentech | Auzen X-Fi Bravura 7.1 | PCI-Express | × | |
AUDIOTRAK | PRODIGY 7.1e X-Fi Audio | PCI-Express | × | |
MSI | × | M/B付属品 | ||
ASUS | SupremeFX X-Fi 2 | × | M/B付属品 | |
GIGABYTE | G1.Assassin | ○ | M/B搭載品 | |
GIGABYTE | G1.Sniper | ○ | M/B搭載品 | |
ONKYO | SE-300PCIE | PCI-Express | ○ |
Dolby Digital LiveやDTS Connectが標準でサポートされていないX-FiやAudigyに対して、これらを使えるようにするための有料追加コンポーネント。X-Fi Titaniumより前に発売されたほとんどのカードがこれに当てはまる。
OEM版の非地雷X-Fiでも、このコンポーネントを導入してDDL/DTS Connectを利用することができるようになる。
システム要件は下記の通り。
購入はオンラインショップから。導入時にアクティベーションがあるので、複数枚持っている人は要注意。値段は2009年7月時点で$4.72(約500円)。稼働OSによりDDL/DTS Connectのどちらが使えるか変わるので、購入予定者は商品詳細ページをよく読むこと。
X-Fi Titanium以降ではデフォルトでDDL/DTSCを利用できるが、Creativeのドライバダウンロードページから追加コンポーネントとしてダウンロードし適用する必要がある。
PCIからPCI-Expressへの移行を前提としてX-Fiを購入する場合は、大陸志向ブランドのDCT-FUTA1を使うことで資産を継承しつつスムーズな移行を行うことが可能である。DCT-FUTA1はロープロファイルなPCIカードをPCI-Exressに変換するカードである。X-Fi Xtreme GamerとDCT-FUTA1を組み合わせることで、PCIからPCI-Expressへの移行を行うことができる。DCT-FUTA1はたんなるブリッジカードなので、特別なドライバは不要である(Windowsの標準ドライバで動作する)。したがってきちんと認識された場合は、PAXドライバなどを用いつつ、Windows 7 x64などでも問題なく動作させることが可能。
ただし2011年現在、DCT-FUTA1は新品入手が極めて難しいため、実行に移せるチャンスはほとんどないと考えられる。オークションなどでうまく入手できるのであれば可能な方法といえる。また当然のことながら相性問題も存在するため、すべてのM/Bにおいて安定動作するとは限らない。チャレンジ精神が必要なカードであるとも言える。